東北地方では,主に寒冷な気候による凍結融解作用や海岸・沿岸部の飛来塩分および冬期の山間部における凍結抑制剤の散布により,多くのコンクリート構造物に凍害や塩害が生じております。また,アルカリシリカ反応や施工不良等により早期に劣化が進行しているケースも見られております。さらに先般,東日本大震災の発災により,これらの構造物に対して,軽微な損傷から早急に対策を取らなければならない損傷が生じたことは記憶に新しく,今後の維持・管理において十分に注意をはらう必要が出てきております。
このような状況を鑑み,土木学会東北支部ではコンクリート構造物の損傷に対する技術的判断を,画像を用いておこなうことを目的として,平成24年度に「画像情報による橋梁の健全度評価委員会」(委員長:東北学院大学武田三弘教授)を立ち上げました。この委員会では活動の一部として,委員の所有するコンクリート構造物の損傷写真を提供していただき,その画像に対する評価をおこないました。
損傷に対する評価を付したこれらの写真は,土木学会会員の皆さんにも有用なものであると考え,ここに掲載する次第です。広く会員の技術力向上に資することを期待しています。