論文番号
1著者名 立川敬士・後藤智明・服部昌太郎
論文題目 非線形分散波理論を用いた数値解析の高精度化の検討
討論者 金山 進(五洋建設)
質疑
ADI法の数値分散性が,x方向とy方向とで対称となっていませんが,これらは各方向のいずれかを陰形式,他方を陽形式で解いた半ステップ分の数値誤差なのでしょうか.それとも,陰と陽を反転した残りの半ステップ分の計算も含めたものなのでしょうか.
回答
ADI法にはいろいろな形式のものがありますが,本研究で対象としたのは,x方向とy方向を半ステップずつ交互に陰形式と陽形式で解いていく方法です.また,津波の計算のように初期値問題を対象としています.
質疑の件に関して,『陰と陽を反転した残りの半ステップ分の計算も含めたもの』であると回答します.なお,陰形式と陽形式では差分式が多少異なりますので,初期値問題の場合,最初の半ステップをx方向とy方向のどちらを陰形式で計算するかということで誤差特性が変化します.
討論者 磯部雅彦(東大,工)
質疑
論文では,線形分散性について検討されているが,非線形分散波方程式を用いた場合の非線形分散性の効果についてはどうか.
回答
本論文は非線形分散性まで考慮したものでありません.非線形分散性に関しても重要な問題であると認識しております.現在,研究を進めている段階であり,研究成果を別の機会に報告したいと考えております.