論文番号
102著者名 出口一郎,小野正順,椹木亨
論文題目 礫浜の変形に関する研究
討論者 中央大学理工学部
質疑
礫浜での模型実験での力学的相似則は考慮されているか?
回答
論文で結果を述べた実験は,実際に施工された人工礫浜(マーブルビーチ)の模型実験ではありません.スケールが異なってもディーン教授の形状係数を用いた2/3-乗則が適用できるかどうかということを示すために現地と実験結果について論文中で検討したものです.
マーブルビーチの断面決定のための模型実験は,別途行っております.模型実験の詳細は論文中の参考文献にあげた「南大阪湾岸整備事業に係わる緩傾斜護岸水理模型実験報告書」*)に記述してありますが検討の対象とした護岸諸元と波浪は,以下の通りです.
実験対象波:計画設計波(波高2.9m,周期6.5s),冬季風浪(波高2.6m,周期 5.7s)
被覆材粒径:3.0cm,(静水中沈降速度:約60cm/s)
護岸法勾配:1/15および1/10
これらを縮尺
1/20の模型実験で検討しました.護岸被覆材には,沈降速度をフルード則で縮小し,0.15cmの粒径を持つ粗砂(静水中沈降速度13.4cm/s)を用いました.形成された断面は,ほぼ2/3-乗則で決まる断面に一致しています.*)「南大阪湾岸整備事業に係わる緩傾斜護岸水理模型実験報告書」,昭和61年3月,大阪府企業局,災害科学研究所
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