論文番号
11著者名 滝川 清・山田文彦・松本健作・飯尾昌和
論文題目 ビデオ画像解析とBoundary-Fit法を用いた砕波変形の内部特性に関する研究
討論者 服部昌太郎(中大、理工)
質疑
可視化実験の測定精度を確認するため、連続条件により精度を定量的に評価する必要がある。この点について、著者らのご検討結果をお示し願いたい。このようなプロセスを経た上で、数値解析の妥当性が言えるのではないかと思う。
回答
我々は、数値解析の精度を確認するために、可視化実験やレーザー流速計による実験結果との比較を行いましたが、ご指摘のような可視化実験に対する検討は発表時点では行っておりませんでした。しかしながら、大変重要なことでありますから、現在、検討中であり、折りを見てその結果を報告させていただきたく存じます。
現状の可視化手法の測定精度は、トレーサー粒子の分布状況や撮影・再生時間間隔に強く依存しているため、可視化実験より得られた流速場は連続条件を厳密に満たしてはおりません。この対応策の一つとして、連続条件を満たすように変分法を用いて、測定された流れの場を修正するマスコン1)(Mass-Consistent)モデルの適用を考えております。しかし、基本的に2次元の可視化実験においては、対象とする測定面内への流体の3次元的な流入・流失を伴うため、無理に連続条件を課すこと自体には物理的根拠が乏しいとも考えられます。そのため、3次元可視化システムを早急に構築する必要があるとも考えております。
1) Sharman, C. A. (1978) : A Mass-Consistent Model for Wind Fields over Complex Terrain, Jour. of Applied Meteorology, Vol. 17, pp. 312-319
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