論文番号
113著者名 鈴木成典・真野 明
論文題目 福島海岸における波浪と海食崖の応答解析
討論者 安田孝志(岐阜大学)
質疑
海食崖の侵食は台風などによって進み、インパルス的に応答するものと考えられるが、波のエネルギーフラックスを長期平均値で考えて良いのか?
回答
討議をいただき有り難うございます。筆者らが比較したのは、1年間の崖の総後退量とエネルギーフラックス岸向き成分の1年間の積分量です。当然この中には台風などの高波浪の波が含まれていて、積分量にしめる高波浪のエネルギーフラックスの寄与は高くなっております。崖の侵食も同様に高波浪時の後退量が大きな割合を占めているものと推測され、討議者が指摘されたメカニズムは本研究の整理の仕方で損なわれないものと考えられます。
また結論として得た、応答関係は侵食速度がエネルギーフラックスに比例するというものですので、線形的な重ね合わせができることを意味し、それぞれの波のエネルギーフラックスに比例して侵食量が決まり、それを足し合わせたものが1年間の総侵食量であるというように言い換えることができます。