論文番号
147著者名 青野利夫・貝沼憲男・興野俊也・金澤 剛
論文題目 低天端ケーソン堤の越波による伝達波について
討論者 勝井秀博(大成建設技術研究所)
質疑
1.精密な現地計測に敬意を表します.結果としてhc/H1/3=0.5に対して,伝達率=0.2〜0.3ですが,これが防波堤のほんの一部から伝達されたとして港内の静穏度にどの程度問題になりますか.設計・施工の実務上の経験として教えてください.
回答
1.これは,対象となる港によって考え方が異なる問題であると思います.
通常,公共埠頭のような一般港湾の場合,泊地の静穏度は年間を通じ95〜97.5%以上の停泊または係留日数を可能とする静穏度を確保することを原則としております.しかし,発電所の燃料荷役のための専用港湾では,入港船舶の諸元や頻度が限定されるため,一般港湾のように静穏度を95%以上に確保する必要がないと考えています.
一般港湾のように静穏度を確保する必要のある港湾では,防波堤の天端を低くした場合,越波により港内静穏度の悪化が問題になると思いますが,専用港湾では燃料荷役等に必要な年間を通じた専用バースの稼働率を確保できれば影響がないため,大きな問題にならないと考えております.
質疑
2.低天端ケーソン防波堤の動向について具体例がありましたら教えてください.
回答
2.低天端ケーソン防波堤の事例は,著者らの知るかぎりでは現在までのところないようです.