論文番号 155

著者名 川崎俊正・磯部雅彦・渡辺 晃・横木裕宗・小竹康夫・藤原隆一

論文題目 防波堤先端付近における多方向不規則波の統計的性質

討論者 高橋重雄(運輸省,港研)

質疑

 高山らの計算では先端付近でH/Hi2.0以上となる位置もあるなど,もう少し変化が大きいようですが,これは波の多方向性の影響が大きいのでしょうか.Smax=20は少し小さいようにも思えるのですが.

 図−11ではケーソンの活動量の変化(蛇行災害)が波力分散によっているとされていますが,私どもはH/Hiの変化に対応していると考えていました.今回の結論はどんなケースでもそうであるとしてよいのでしょうか.

回答

 図−7に示すように,H/Hiがわずかに2を越える点もあるものの,多方向不規則性を考慮するとその最大値は下がります.これは成分波ごとの波高最大点の位置がずれることによるものです.Smaxに関しては,データが得られていないので,風域から多少脱した波として20を用いました.

 蛇行災害の原因について,微小振幅波理論による波高分布と波力分布とは一致しますので,ケーソン滑動量との比較からはどちらとも結論できませんが,滑動は水平波力と水平摩擦との関係で決まるものであることから,波力分布を図示しました.

 

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