論文番号
173著者名 諫山 太郎・佐藤 肇・植木 一浩・長舩 徹
論文題目 放水口を有したケーソン堤の水理特性に関する実験的研究
討論者 榊山 勉(電力中央研究所,水理部)
質疑
今回の実験条件での群速度と流速比はどの程度でしょうか.実際の放水流量にあわせて実験を行っているのでしょうか.断面2次元実験では放水流による連行が生じにくいので,放水流による波の変形,強いては波力に及ぼす影響が過小評価される.即ち,有限長の放水口幅から出る放水流による3次元的な場での現象では逆流による波の屈折現象が加わり波高が増大する効果が加わる.この影響に関しては今後どのように検討を加えていくのでしょうか.
回答
今回の実験条件から群速度と流速の比CG/vは,2.3〜3.0程度となります.また,実験の放水流速については,フルード則を用いて,放水口中央部での放水流速が実際の放水流速値を包含するように設定しました.
今回の実験は放水口ケーソンの基本的水理特性に着目した実験であることから,規則波による断面2次元で行っています.このことから3次元に拡張した場合の水理特性については,ご指摘頂いた点を含めて,確認・修正しなければならない部分もあると思われます.現地の設計などに適用するために,不規則波による平面実験での検討も行いたいと考えています.