論文番号
190著者名 増田光一,居駒知樹,前田久明,宮島省吾
論文題目 浅海域に設置された超大型浮遊式海洋構造物の波浪中弾性応答に関する研究
討論者 宇都宮智昭(京大・工・土木工)
質疑
1.浅海域においては海底面起伏(水深変動)の影響も考えられるが,このような問題に対する解法に本手法が(あるいは拡張して)使えるか?
回答
1.一定水深を前提とした流場を満たすグリーン関数を用いた解法であるので,水深の変化を考慮することはできない。
質疑
2.本論文の結論の一つとして,L/λ一定条件下では水深影響は低いということが挙げられているが,この結論を利用して海底面起伏に対する簡易的算定法が考えられるでしょうか?
回答
2.浮体の剛性が低下するほど水深の影響は現れなくなる。流体力は周波数領域での解析であるため,浮体の途中で入射波波長が変化する影響を取り込むのは難しいのではないかと思われる。
討論者 新井信一(足利工大)
質疑
図14の弾性変形時の定常波漂流力の値はL/λ>10でどのようになりますか?
回答
詳細な検討はしていないが,特に弾性変形が同調現象のような得意な運動をしなければ,無次元値は1.0に収束すると思われる。
討論者 合田良実(横浜国大)
質疑
貴論文で得られた知見は超大型浮体の曲げ剛性に大きく依存すると思われますので,今回使用された値の根拠について教えてください。
回答
構造物の厚さや構造形式については一切考えておらず,フルードの相似則に従って曲げ剛性のみを設定した。数値計算モデルでは,現在追浜で行われている実海域実験モデルを剛性を変えずに5,000mの浮体に拡大した程度となっている。この根拠は,平面的には拡大するがブロック浮体の特性は大きく変化しないだろうという観点からである。