論文番号
230著者名 鶴谷広一・村上和男・中川康之・安井章雄
論文題目 汚濁防止膜周辺の土砂拡散機構に関する現地観測
討論者 東工大 情理工 二瓶泰雄
質疑
(1)投下土砂の粒子径とその沈降速度はどれくらいか
回答
本文に書いてあるように、投下土砂の中央粒径は0.15mmで、シルトが10%程度含まれている。粒子径に対応する沈降速度は、Stokesの式で求めることができる。また、シルトや粘土などの微細粒子は海水中で凝集する(flocculation)ので、沈降速度が泥の濃度の関数になることが知られている。
質疑
(2)各点での観測値から、濁度が数十分程度の間有意な値を持っているが、このメカニズムはどのようになっているか。
回答
約800m3の土運船から投下された土砂によって、非常に密度の濃い流体が形成され、これが周囲に拡散しながら底面をはうように拡がっていく。この過程を捉えていると考えられる。
討論者 東亜建設工業 矢内
質疑
(1)アンカーフレキシブルコンテナの構造について
回答
繊維の袋に土を詰めたもので、高さが約1.8mある。
質疑
(2)図−10,12を比較すると、膜の効果は余りないのか。
回答
そうではなく、図−11のように、底面から1m上で濃度が150ppm程度まで上がった濃度が膜の後方で約半分になっているので、効果はあると判断している。現地では、3次元的な拡がりのために、図−10では大きな濃度が検出できなかったと思われる。