論文番号 249

著者名 上月康則,細井由彦,村上仁士,濱口大輔

論文題目 海の香りの形成機構に関する研究

討論者 東北大 今村文彦

質疑

 海を訪れる回数が41回以上となると再び視覚的要素を重要と考える人が増える理由について

回答

 アンケートにはヒアリング調査を併用しておりませんので,私の私見を述べさせていただきます.

 年間41回以上,つまり週に一度は海を訪れていることになります.この中には海辺に住んでいる人も含んでおり,レジャー感覚で海を訪れる人とは海に対する意識が異なると思われます.つまり,この結果は年間41回以上海を訪れる人にとっての海に対する評価基準がそれ以下の人とは異なっていることを示していると考えます.例えば海辺に住んでいる人にとっては,海は生活に密着した存在であるために,アメニティや快適性という意識が希薄であると考えられます.以上のことから,40回以下の人と傾向が異なった結果が得られたものと考えます.

 

討論者 京都大学防災研究所 吉岡洋

質疑

 1.なぜ港と磯で臭いの質が異なるのか

回答

 磯同様に港の護岸にも,付着生物が見受けられますが,構造が鉛直であること,表面形状が単調であることや,波あたりが弱いことなど,磯に比較すると生物の生息環境が大きく異なります.このために,臭いの発生源である付着生物の群集構造が磯と異なったものとなり,さらに臭いも異なると考えております.

質疑

 2.調査解析は季節的,天候的な状況を考慮すべきではないか

回答

 ご指摘のとおり,光度,気温,湿度などの気象条件によっても香りの強さ,質が変化することは別途明らかにしております.今後はこれらを定量的に明らかにしていくことも本研究の課題のひとつと認識しております.

 

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