論文番号
256著者名 佐藤 潤一、今井 澄雄、矢口 真光
論文題目 常陸那珂港北ふ頭東護岸の設計と施工
討論者 大成建設(株)土木設計第二部
質疑
摩擦増大マット実験の摩擦係数は、どのように設定しているのか。
回答
ケーソン模型に波力作用時の合力を作用させ、相対変位が無限大すなわち摩擦抵抗力が一定になった時の摩擦係数を測定しました。また、本論で述べましたように、作用荷重が増加すると共に摩擦係数が低下することが認められ、設計作用荷重時(75tf/m2)には摩擦係数が0.8を確保出来ることを確認して設定しました。
質疑
遭遇確率を初期建設費とその後の補修費から検討したとは、どういうことか。
回答
遭遇確率は外洋における既往工事の実績を調べると、35%前後であります。今回は、遭遇確率をパラメータに初期建設費及び被災時の補修費を算出し、その総費用を評価しました。その結果、設計波との遭遇確率33%における総費用が最小になりましたので、これを採用しました。
質疑
補修費はどうやって算定したのか。
回答
基礎捨石マウンド上をケーソンが滑動したと仮定し、これを復旧する費用を算定しました。具体的には、滑動したケーソンに対して蓋ブロック、中詰砂撤去、ケーソン再据付、中詰砂再投入、蓋ブロック再据付、基礎捨石、裏込石補修費を合計したものを復旧費といたしました。この復旧費と遭遇確率の積を、各遭遇確率に対する補修費として算定しました。
質疑
補修費用を算定する被災モードは何か。
回答
既往の被災事例を参考に、基礎マウンド上をケーソンが滑動する状態を、設計波以上の波浪による被災モードと仮定しました。