論文番号
262著者名 倉吉一盛・今村文彦・高橋智幸・松冨英夫・Subandono Diposaptono・首藤伸夫
論文題目 1996年2月17日Irian Jaya地震津波の現地調査
討論者 京大 防災研 山下隆男
質疑
Wardo(Biak島西部)での津波遡上高さが異常に高かったのは、海底地滑りだと発表されていたが、その後の調査の進展はありますか?また、海底地滑りの可能性はありますか?
回答
我々が合同で行った調査以降、現地で新たに調査が行われたという報告は聞いていませんので、新しい事実はありません。その後の解析結果も含めて、Wardoでの津波に関してまとめると以下の通りです。
(1)聞き取り調査で得られた第一波到達時間が2、3分であり、断層モデルから予想される到達時間(10分以上)より非常に早い。
(2)この地域には、幅200-500mの珊瑚礁の沖に、急峻な海底勾配が存在しており、ここで、地滑りが起こった可能性があること。実際、陸上では、2、3カ所の地滑りが見られた。
(3)断層モデルから推定される津波波高は、この地区の実際の痕跡高さよりも1/10程に小さいこと。