論文番号
27著者名 水谷法美・前田健一郎・Ayman M. Mostafa・William G. McDougal
論文題目 透水性構造物の抵抗係数の評価と波・潜水透水性構造物の非線形相互作用の数値解析
討論者 長岡技術科学大学 細山田得三
質疑
内側を回転的に解く必要がありますか?
領域内外の回転・非回転流れの扱いを何を基準に選択するか?
回答
今回,著者らが対象とした数値解析手法は,これまで扱ってきた幅広潜堤の被覆材の安定性の研究の一環であり,被覆材の作用波力の算定に必要な流速の予測を目的に開発したものです.これまでに行った水理実験では,構造物の天端幅が広いため,潜堤の岸側法面での被覆材の移動はほとんど認められず,潜堤背後で生じる渦の影響は小さいと考え,外部領域を非回転運動を仮定したポテンシャル理論による解析を行っています.一方,内側につきましては,ポテンシャル流を仮定した研究例も幾つかあります.その多くは,等価仕事原理を使用した運動方程式の線形化を行い,等価線形抵抗係数を使用しています.この係数は,波変形が実験結果に合うように決められていますが,著者らは,この手法を使用せずに,抵抗係数を波力と結びつけて評価することを考えたため,非回転流れとして解析を行いました.
実際に,外部領域,内部領域ともにどのような流れを考えるかは,何を対象とした解析を行うかに依存すると思います.