論文番号
4著者名 筒井 茂明・鈴山 勝之・大木 洋典
論文題目 浅海での非線形分散波のモデル方程式とそのステップ型リーフへの適用
討論者 磯部 雅彦(東大)
質疑
垂直壁を有するリーフでは減衰定常波の影響が有意となるため,この論文での方程式の適用範囲を超えていると思われる.しかし,実際のリーフエッジは急といってもある勾配を有するので,そのような状況に適用した方が実際的で理論との整合性がよいのではないか.
回答
本モデル方程式では緩勾配方程式型の式に弱非線形性を取り込んだモデルを考えている.水深急変部付近の波の状況は水没壁からの反射波および減衰定常波のエネルギーにより支配される.またリーフの先端部が急斜面になっている場合にも,そこからの反射波の影響が大きく緩勾配との仮定に整合しないことになる.したがって,いずれの場合にも反射波の影響が重要であると考えられる.ここではステップ型リーフを考え,水深不連続部においてエネルギーフラックスが満足すべき境界条件(Tsutsui & Zamami, CEJ, Vol.36, 1993)を適用して,水深不連続部の両側での解を結合している.これによって減衰定常波の効果を表せるものではないが,リーフでの波の反射および伝播特性を近似的に満たしている.