論文番号 80
著者名 福本 正・多田彰秀・中村武弘・富樫宏由
論文題目 成層した大村湾の流動に及ぼす風の影響について
討論者 田中昌宏(鹿島、技研)
質疑
論文中、図-11の水温分布の解析結果を見ると、混合が拡散的に生じているが、鉛直方向の渦動粘性係数モデルに問題はないか?
(click to enlarge)
回答
中辻(1994)に添い,局所リチャードソン数(Ri数)の関数として鉛直方向の渦動粘性係数を算定している.そのため,成層が拡散的に混合され易くなることが考えられる.また,流動が小さく日射量が大きい場合は,指摘のような「実際の混合過程」となるものと思われる.本論文では,無風状態あるいは海水面に作用する風速が比較的大きい場合を対象とした数値解析を行っている.すなわち,実際の気象観測記録に基づいた吹送流による水温成層の変化に注目しており,この時の各水深における流れは,図−12に示すように大きくなっている.したがって,鉛直方向の渦動拡散係数をRi数の関数として与えることは,定性的な現象を把握する上では支障はないものと判断する.