論文番号
93著者名 張 達平・ 佐藤愼司・ 戸崎正明・ 田中茂信
論文題目 混合砂海浜の断面変形と粒径別漂砂量に関する実験的研究
討論者 出口一郎 (阪大、土木)
質疑
混合砂の移動を粒径によって3つのグループに分けて考察されているが、粒径の無次元量で分類すべきではないでしょうか?
回答
粒径の無次元量で分類することは現段階では、行っていない。まず、本実験の条件について、混合砂の組成は一種類である(図-1)。そして、混合砂の各粒径砂の動きは分級しながら、相互作用しており、非常に複雑である。本研究の現段階では、粒径の無次元量の検討は一般化できないと考えている。
そこで、case studyとして,粒径別漂砂量は,13の粒径範囲に分けて混合砂の移動特性を調べ、砂の移動形式,漂砂の向きと漂砂量の変化傾向の観点からみると,大きくA,B,Cという三つのグループに分けられた。たとえば、本論では、粒径別漂砂量分布は図−3にはCase1を例として混合砂を13の粒径範囲に分けて,波作用から1時間の粒径別岸沖漂砂量分布を示した。また、図−10には沖合いの粒径別移動限界位置を13の粒径範囲に分けて,粒径別岸沖漂砂量分布を示した。さらに、 Case1の図−3の太線(d>4.76mm),中線(0.25mm<d<4.76mm),細線(d<0.25mm)に示しているように3つの粒径集団に分けられるようである。さらに,水路側壁から土砂移動特性を観察した結果,大粒径の砂は主に掃流形式で,小粒径の砂は主に浮遊形式で,その中間の粒径の砂は両者の混合形式で移動していることが観察された。Case2もCase1と同じようなことが見られた。このような3つのグループの見方は現場で使いやすいと考えている。
今後は、本研究の成果を踏まえ,粒径の無次元化(粒径集団の無次元化を含む)など一般化に向けた検討をしていく必要があると考えている。