第九回行動モデル夏の学校(9/5-6)

羽藤@本郷です.

立秋も過ぎましたが,秋の気配もなく,暑いですね(笑).
みなさんお元気でお過ごしでしょうか.
さて,今年も行動モデル夏の学校の季節がやってきました.

行動モデル夏の学校をスタートさせてもう9年目ですが,土木と都市をめぐる環境はその間に大きく変化しました.技術的な変化では,人の行動分析を行っていくうえで,プローブパーソンやプローブカーの技術は研究にとどまらず,スマートグリッドやETCといった一般的なサービスとして普及し,リアルタイムポリシーとそのシステム的な制御を可能にしつつあります.社会的な変化では,近年の悪化する渋滞という文脈から将来の少子高齢化社会が確度をましながら日本の都市と国土にその抜本的な対応を迫りつつあり,都市経営に資する需要予測や,観光をはじめとする人と人のつながりやその物語の再生のための様々な都市政策に貢献し得る行動分析やモビリティデザインのニーズが高まっているといえるでしょう.

こうした背景を鑑み,今年の基調講義では,運輸政策研究機構の森地先生に基調講義をお願いさせていただきました.過去の夏の学校では京都大学の北村先生,MITのBen-Akiva先生に基調講義をお願いしてきましたが,森地先生は行動モデル研究を出発点に日本の都市・国土交通政策に科学的な方法論を根付かせてきたわが国を代表する研究者です.森地先生からわが国における交通需要予測の歴史を紐解いていただくことで,この分野の今後の進むべき方向性について基調講義をいただければと思っています.若い学生の皆さんにはたいへん意味深い講義になると思います.

また,行動モデル夏の学校では,急がば回れというか,あえて行動モデルというテクニカルな研究手法にその学習範囲を限定し,全国各地の学生や若手専門家でチームを編成した上で,こうした様々な問題に切り込んでいくための具体的な方法論を,演習方式で学んでいくための講座です.

私たちと一緒に,行動モデル的アプローチにより今日的な公共政策問題に切り込んでいこうとする全国各地から学生諸君,若手研究者,実務家の皆さんの参加を,心からお待ちしています.質問はお気軽に羽藤までどぞ.
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概要:
参加費:2000円(宿泊費別),ノートPC持参(ない場合はご相談ください),CDROMとサンプルプログラム配布
申し込み先:東京大学都市工学科 羽藤英二
hato[at]bin.t.u-tokyo.ac.jp

プログラム:
9月5日(日)@東京大学本郷キャンパス工学部1号館15番/14番教室
1030-1100 受付
1100-1200 ガイダンス 羽藤英二(東大)
1200-1300 ランチョン(研究室紹介)
1300-1500 講義
行動モデルの基礎理論と推定手法 倉内慎也(愛媛大)/佐々木邦明(山梨大)
行動モデルの観測手法と応用事例 山本俊行(名大)/福田大輔(東京工業大)羽藤英二(東大)
1500-1530 課題説明
1530-1930 演習(グループワークで行います)
パラメータ推定演習(GAUSS, R, Biogemeを使用します)
GEV(MNL,CNL, NL),Mixed Logit推定のテクニック

9月6日(月)@東京大学本郷キャンパス工学部1号館15番/14番教室
0900-1230 グループごとに分析,推定,演習,およびエスキス
1230-1330 昼食
1330-1500 基調講義 私と交通需要予測 森地茂(運輸政策研究機構)
1530-1730 演習発表(都心回遊行動データを使ったモデル推定結果)
1730-1900 講評と表彰(大交流会,森地先生も参加されます)
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