土木計画学の
多様な分野

　効率的な交通を実現するためには，人々がどのように交通行動を行っているかを理解しなければなりません．例えば，交通渋滞や交通事故を削減することや，利用者の少ない公共交通の財政改善することを目指して，自動車利用者に鉄道やバスの利用を促すためには，人々がどのような理由で自動車を交通手段として選択しているかを理解しなければなりません．また，できるだけ多くの交通量を鉄道やバスなどの公共交通で処理することを検討する場合は，現在や将来における人々の移動の出発地と目的地を把握し，より多くの人々が利用しやすいような鉄道網を計画しなければなりません．

このような交通行動の理解は，効率的な交通を計画するために不可欠のものであり，そのために様々な研究がなされています．交通行動分析の多くは，現在の交通がどのように行われているかを調査し，得られたデータから移動経路や交通手段，目的地などの選択行動をモデル化します．この結果を利用して，高速道路の料金変更や新規鉄道建設などの交通政策がどのような影響を与えるかを分析します．

(三輪 富生：名古屋大学)