2005年12月10日、11日の両日、日本大学理工学部駿河台キャンパス1号館にて、第1回景観・デザイン研究発表会を開催いたしました。口頭論文発表50件、ポスター発表24件を中心に二日間にわたって、景観およびデザインに関する熱い議論が交わされました。
オープニングセッションでは中村良夫東京工業大学名誉教授による基調講演「景観工学40年の節目をむかえて」をいただき、土木における景観という学問と社会的活動の歩みについて、世界的な潮流の中での位置づけや各種の論敵の存在についての明快な分析的論考が披露されました。
参加者は最終的に230名を超え、2会場で行われた口頭発表会は満席以上でした。また初日夕刻の懇親会にも約130名が出席し、主催者の予想をはるかに上回る盛会となりました。参加者は学生、大学教員はもちろんのこと、コンサルタンツ、各種デザイン事務所、メーカー、ゼネコン、国土交通省など多岐にわたりました。これは、本研究発表会が当初から意図したことです。ポスター発表についても、デザインサーベイの結果報告、具体的な場所の景観デザイン事例やまちづくり事例の報告、製品の開発工夫、デザイン教育の実態報告など、学会の通常の研究発表会では採り上げられにくいテーマについての発表が多く集まりました。口頭発表においてもデザイン事例の詳細な経過を担当者が自ら語るという発表が多く含まれ、リアリティのある議論が交わされました。また論説部門というカテゴリーにおいては、主張を明確にした景観原論や問題提起がなされ、ここでも多くの刺激的な意見交換が見られました。なお本研究発表会では、35歳以下の口頭発表に対する優秀発表賞と優れたポスターに対する優秀ポスター賞を授与します。第1回の受賞者の方々はこちらをご覧ください。おめでとうございます。
また会場では、全国土木系大学等におけるデザイン演習の作品展示が行われ、10主体から模型やパネルが出展されました。各大学のカラーも仄見える興味深い企画であり、特に学生には大いに刺激になったようでした。
以上のように、多くの方々のご協力を得て、主催者の期待をはるかに上回る盛会の内に楽しい研究発表会を終え、多様な交流、刺激の享受を図ることができました。来年度は東京工業大学で開催します。
またすでに学会誌1月号に会告を行っておりますように、景観・デザイン研究論文集の論文募集も開始いたします。研究論文の概念を広げつつも厳格なる査読を行うことで、新しい学術知の構築を図ることを期待しております。こちらへの参加もお待ちしております。
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