組織紹介
土木学会 北海道支部
- 土木学会北海道支部 支部長挨拶
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この度、土木学会北海道支部の支部長を務めることになりました室蘭工業大学の木幡(こはた)と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
北海道支部は、北海道という大変広い地域を対象とするため、札幌圏はもとより、函館、室蘭、苫小牧、北見に地方事業の実施拠点を設けて活動しております。支部長として、これらの地域のほか、全道の会員の皆様、多くの商議員、幹事の皆様のご協力を得ながら、1年間の重責を果たして参りたいと存じます。
さて、昨今、地震、豪雨、豪雪、竜巻などの自然災害が頻発しており、その災害形態は年々進化している状況にあります。とりわけ、平成23年東日本大震災では、マグニチュード9.0を記録するMegaquakeと呼ばれる巨大地震の発生により、多くの尊い人命が奪われただけでなく、地盤の液状化が生じた後に津波が押し寄せるなど、複合的な現象により社会基盤に未曽有の被害をもたらしました。また、笹子トンネルの天井板崩落や橋梁の老朽化が進行していることが取り上げられ、それらの対策が喫緊の課題になるなど、市民社会からインフラ(社会基盤)に対する信頼性が問われているのと同時に、「土木技術」の重要性が再認識されるようになってきていると感じております。
ここ十数年、全国の大学における土木系・環境系学科の志願者数は減少傾向にありましたが、東日本大震災後は志願者数が大幅に増加傾向に転じていると聞き及んでおります。私が務める大学においても、これまで建築コースへの志願者が大変多い状況が続いておりましたが、平成25年度は土木工学コースへの志願者が大幅に増加するという驚くべき変化が生じております。ハード、ソフト、両面からの防災、減災あるいは維持管理のための土木技術に関する専門知識や魅力を若い世代に伝えるのは、まさに「今」であると思います。
土木学会は平成26年11月に創立100周年を迎えます。この大きな節目に向けて、土木学会では100周年事業として様々な事業を実施することとしておりますが、北海道支部においても、「インフラを通じた社会への貢献」として「安全な国土への再設計」、「若手土木技術者の交流サロン」などの実施、「市民との交流」として、「土木ふれあいフェスタ」、「土木カフェ」「土木コレクション」などを100周年の事業として展開していく予定です。
また、昨年度、Facebookによる「シビルネット北海道」というサイトを北海道支部のホームページに立ち上げました。これは、土木学会をより身近なものとして知ってもらうという目的で立ち上げたもので、会員相互の交流の場として、また、市民へのPRの場として活用されており、北海道支部、関西支部、西部支部の三支部が、全国に先駆けてオープンしたものです。会員の皆様におかれましては、ぜひ、ご活用されますことをお願い申し上げます。特に、若手土木技術者や学生会員の交流の場として積極的に活用されることを期待しております。
「安全」を語るのは専門家である土木技術者・研究者にとっては容易でありますが、「安心」は人それぞれの感覚で変わることから、人々に安心を与えることは非常に難しいと思われます。しかし、土木技術者は、地道に丁寧な説明を行うことにより、これを克服する必要があると考えております。
北海道支部における活動の活性化と発展のために、皆様のお知恵をお聞きしながら、会員である土木技術者・研究者のさらなる連携を深め、北海道の地域社会への貢献に繋がりますように、浅学菲才ではございますが精一杯努力させていただきたいと思いますので、会員の皆さまの暖かいご理解と力強いご支援をお願いいたしまして支部長就任の挨拶とさせていただきます。
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