埼玉県には、煉瓦の樋門が多い。樋門(ひもん)というのは水利施設のひとつで、外観は水門に似ています。
しかし水門は堤防を切断してつくられる大型の水路施設のゲイトであるのに対し、樋門は堤防をつらぬく小水路のゲイトです。
地域によって、門樋(もんぴ)・圦樋(いりひ)・樋管・堰枠など、さまざまに呼ばれています。
県内には現在30以上の煉瓦樋門があり、これだけ多くの煉瓦樋門があるのは全国でも埼玉県だけです。
建設年代は基本的に明治で、現存最古は春日部市にあります4連アーチのめがね橋堰です。
五ヶ門樋は県内で3番目に古く、しかもアーチ・スパンは最大です。
県内に残る樋門を見比べてみますと、最初期のものほど、装飾性の高いことがわかります。
五ヶ門樋は現在、出口部の門扉や戸当たりはありませんが、その分煉瓦や石の組み方そして加工の仕方などもわかります。
下流側には昭和初期につくられたコンクリートの樋門や煉瓦造の排水機場跡もみることができます。
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