丸沼ダムは、日光国立公園内の菅沼・丸沼・大尻沼貯水工事等一連の水力発電工事の一環として、
東京電力の前進である上毛電力株式会社が、丸沼と大尻沼の境に建設したバットレス式のダムである。
この型式では我が国最大のダムで、堤高32.120m、堤頂長88.230m、堤体積13,540m3 、貯水量1,360万m3 利用水深28.0mで、
昭和3年着工し同6年完成で、鹿島建設により施工された。
資材運搬が困難な高所で厳寒地(標高1,305m、基地の鎌田から徒歩による細路14km)であり、
工事の難しさがあるが、強度を保ちつつ軽量化が可能なバットレスダムが、確固たる資料はないが物部長穂博士により、
地震国であることを踏まえて、世界に先駆けて耐震設計を施した設計がされ、当時の技術の粋を集めて建設された。
経年の改修はされているものの設計当時の状況を残している。
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