関東の土木遺産 関東の土木遺産
土木遺産の概要 施設位置図 施設一覧
   
埼玉
たきのはなばし
滝の鼻橋
R元年度認定(2019)
1.名 称:
たきのはなばし
滝の鼻橋
2.完成年:
1925年(大正14年)
3.形式:
鋼ワーレントラス平行弦、下路1スパン
長21.4m,S21.0m
山形鋼のリベット結合、橋面は縞鋼板
4.推薦理由:

滝の鼻橋は、ときがわ町大字西平地先の都幾川に架かる鋼製の橋梁である。近隣には、坂東三十三近隣にはには観世音の第九番札所である慈光寺があり、同橋周辺はかつて宿坊などで繁栄した。

滝の鼻橋の通りは、南の都幾川支川氷川の沿岸集落から、北の小川町に至る。また、都幾川の左岸で交差する川沿いの道路は、下流は東松山市に、上流は大字大野に至る。この交差点北西に慈光寺がある。いずれも古代から利用された重要道路である。

同橋の架設は近世からの宿願であり、急流の渡河を拒み文政年間(1818〜1830)には、篤志家が自費を投じて架設した。以来明治に至り、1883年(明治16)12月、戸長が融資の寄付金で木造橋を架設したが、1887年(明20)の洪水で流失した。

1923年(大正12)、村費および有志の寄付金1,800余円で木橋を架設したが、1924年(大正13)、の洪水で同橋は流失した。

1925年(大14)7月、宿願の永久橋として構造が鋼製の現橋を架設した。総工事費2,200余円で、そのうち寄付金700円は村民が負担した。

設計者は、比企郡技手渡辺恵麿・岡野萬吉・岩崎和臧である。トラスは山型鋼をリベットで結合しているのが特徴で、この工法で県内に架設当時から現存するのは滝の鼻橋のみである。

床用鋼版および手摺格子鉄筋を除き、完成時の原型をとどめている。製作は、隣接する小川町の加藤鉄工所である。当時の同鉄工所は、同型の鋼製の橋梁を製作している。

両岸の橋門構に橋名板が取付けられ、蔓状の装飾が施されている。橋に対する愛着が感じられる。塗装等メンテナンスが良く、渓谷におけるトラス橋は景観を高めている。

ときがわ町は渓谷や水辺に人を呼ぶ施策を進めており、同橋の土木遺産の認定により、観光の資源として価値が高まると確信する。

5.所在地:
埼玉県ときがわ町(一級河川 都幾川に架橋)
6.特記事項:
・2800選ランク:B
・建設時の設計図書等:現存しない。
・交通規制:重量制限1.0t。
・トラスの山型鋼結合工法:滝の鼻橋と同工法の山型鋼を結合した構造の橋梁は、他にも架設された。その鋼材を移設して現在も供用しているものがある
(矢岸歩道橋、小川町地内、昭和46年)。
・新橋記念碑:近世から明治にかけて、流失の歴史を繰り返してきた滝の鼻橋は、1925年(大14)完成の鋼構造橋で、いわゆる永久橋となった。当時、村民は、一丸となって工事費の捻出に奔走した。これらの経緯を刻んだ石碑が、同橋上流左岸の県道法面に建てられている。
7.PR方法:
@町の広報誌掲載 A町のホームページ掲載
8.連絡先:
ときがわ町 建設環境課 橋 康弘
TEL 0493-65-1521
FAX 0493-65-3109
滝の鼻橋
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