JSCE2005は、JSCE2000で提案した改革策の実行状況を自己評価するとともに、新たな情勢変化への今後の対応策を示すものである。各部門・各委員会では、これまでの改革の実態の自己評価を行ったうえで、実施されていなかった改革や社会状況の変化を踏まえた上で、新たな改革策を長期的な視点から検討した行動計画を策定した。このJSCE2000、JSCE2005のシリーズを、土木学会の中期目標、中期計画を表明する手段として位置付け、今後5年を目途に見直し、学会の健全さと活力を持続するための評価・実行システムとして組み込むことを提案する。
今日の土木工学が目標とすべきは、市民の意識や社会の問題をくみ上げ、それに基づいて社会資本サービスおよび空間利用に関するソリューションを提供していくことである(中期目標)。そのためには社会・学会・会員の相互連携が必要であり、それを支える種々のコミュニケーション機能を強化する方策を提案する(中期計画)。
JSCE2005は第 I 編から第 VI 編により構成されている。第 I 編は本編であり、これまでの改革を概観したうえで、今回の改革の位置付けおよび対応する組織の改革案を示している。第U編はアクションプランであり、第 I 篇において示されたビジョンに向け、各部門が行動すべき内容が分類・整理され示されている。第V編は補遺であり文脈上第 II 編に記述できなかった内容を示す。第 IV−VI 編はJSCE2000に対する部門別の自己評価,およびJSCE2005の活動目標と計画である。
本レポートの作成過程では、企画編集担当の企画委員会および各部門での検討に加え、学会のWeb、全国大会の特別講演パネルディスカッション、理事会・委員会等での広範な議論をお願いした。土木学会が、JSCE2005を自らの改革の道標として、国民から信頼を寄せられる学会へ脱皮していくよう努力していくこととしたい。
土木学会企画運営連絡会議
2003年5月