[1]選考委員の選任 |
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土木学会の常置委員会である景観・デザイン委員会は、デザイン賞対象の選考をすすめるために、その下にデザイン賞選考小委員会を設置した。選考小委員会は選考委員と幹事とにより構成される。デザイン賞授賞対象の選考は選考委員がおこない、幹事は幹事会を組織して選考作業を補佐した。選考委員は、景観・デザイン委員会の現役委員または委員経験者の中から7名選任された。選任にあたり、それぞれの専門が都市設計、河川空間の設計、土木構造物の設計など多岐にわたるよう配慮し、景観・デザイン委員会での審議を経て決定された。なお、選考委員長は、選考委員の互選により決定された。
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[2]公募 |
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公募期間は2001年6月15日〜30日とし、土木学会誌5月号誌上ならびに学会ホームページ上で案内するとともに、ポスターを作成して関係方面に配布した。また、応募の動向を事前に把握するため、応募者には応募書類提出に先立って、E-メイルでエントリーの意志表示をしてもらうこととした。なお、公募にあたり、選考委員はプロフィールの中で各自の選考のポイントについて簡単に公表することとした。
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[3]規定審査 |
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一次審査会に先立ち、2001年7月6日に規定審査会がおこなわれた。規定審査は、応募規定違反の有無を審査することを目的としている。審査はデザイン賞選考小委員会の下に設置された幹事会が実施し、規定審査通過作品の原案を作成した。応募作品総数は64件で、このうち竣工年の規定(1999年3月31日以前)の違反が1件、デザイン意図等の説明書の添付なしが1件あり、規定審査通過作品は62件となった。
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[4]一次選考会 |
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規定審査に引き続き、同日、一次選考会が開催された。一次選考会の目的は、規定審査通過作品の決定、応募書類による優秀賞授賞候補作品の選定、選考委員による現地調査の分担の決定である。
規定審査通過作品の原案が承認され、応募書類の閲覧後、選考委員長を含む7名が投票をおこない、得票上位20〜30作品を中心に、書類に添付されたスライドを上映しながら意見交換をおこなった。なお、投票に先立ち、選考委員が作品に何らかの関与をしている場合は、その作品への投票を棄権することとし、その作品へのコメントも控えることが取り決められた。この段階で26作品が優秀賞授賞候補となり、最低でも2名の選考委員が実見すべく現地調査の分担を決定した。
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[5]現地調査 |
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当該作品と応募書類の不一致や矛盾がないかを確認し、あわせて、スケール感、周辺地域との関係を含めて作品を評価することを目的として、選考委員が分担して現地調査にあたった。
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[6]二次選考会 |
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二次選考会は、現地調査報告を踏まえながらあらためて作品についての議論をおこない、優秀賞授賞作品の決定をし、さらにその中から最優秀賞授賞作品を選定することを目的として2001年11月6日に開催された。
まず、優秀賞授賞候補作品を順次スライド等で再確認しつつ、現地調査結果の報告を担当選考委員より受けて審議がおこなわれた。審議に際して、優秀賞授賞の考え方や、選外とすべき点について意見交換をし、合議によって優秀賞授賞作品を17作品選定した。次に、この17作品について、投票による最優秀賞授賞作品の選定に入った。選考委員が持票3を1作品に1票ずつ投票する方式により、得票総数が1票以上となった8作品について選考委員全員で討議した。なお、この場合も、作品に関与している選考委員は当該作品についての投票ならびにコメントを控えることが取り決められた。この討議で、最優秀賞受賞とする積極的理由や、授賞の最低条件などが話し合われ、最終的に得票上位5作品が最優秀賞授賞の対象となった。
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[7]結果の公表について |
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選考結果の公表は、作品選集の発行、学会ホームページへの掲載、授賞式の開催、土木学会誌への掲載によっておこなわれた。また、選考結果や選考のあり方についての意見交換の場を2002年度に設ける予定である。作品選集は、「作品選集2001」として授賞式(2002年1月21日東京工業大学百年記念館フェライト会議室にて開催)にて受賞者に一定部数を配布、また、その他は一般に販売された。 |