多々羅橋(広島・愛媛,中央スパン 890m)
斜張橋は、細いケーブルを塔からたくさん張り渡して橋桁を吊っています。塔からケーブルを架けながら橋桁を両方向に張り出していく形は、やじろべえに似ています。
斜張橋形式は古くからありましたが、戦後になってヨーロッパを中心に建設が進められてきました。特にドイツのライン川には、1960年代以降、斜張橋があいついで架設されました。この形式は、構造が合理的なことに加えて、直線のケーブルやタワーの作りだす外観がすっきりとしていることから、日本でも1970年代以降に急速に採用されるようになりました。この構造は、大きな橋になるほど設計の計算がむずかしくなりますが、コンピューターの発達によって複雑な計算もできるようになり、次々と大きな橋ができるようになりました。