トンネルが掘られる地盤は、海底面下の柔らかな地盤です。まるで豆腐に穴をあけるようなものです。また、海面下約60メートルですので6気圧の力がかかります。手のひらに600キログラムのおもりが載るようなものです。また、関東地方は地震がよく起こる地域です。
このような厳しい条件下で、トンネルは浮島取付部から2台、川崎人工島から4台、木更津人工島から2台のシールドマシンによりトンネルを掘ります。
シールドマシンの先端に取り付けた歯を回転させながら、高圧をかけた泥水で崩れないように抑えられた土を削り取ります。削り取った土は送り込んだ泥水と一緒にパイプでトンネルの外の処理設備まで運びます。
セグメントというブロックをリング状に組み立ててトンネルの外壁を造ります。リングの幅は1.5メートルあります。このように外壁は1.5メートルずつ伸びていきます。セグメントの組み立ては自動化されています。
お互いに掘り進んできたシールドマシンを先端の歯と歯の間が30センチメートルまで近づけます。その30センチメートルの隙間から土や水がトンネルの中に入らないようにして、マシン内部の機械や歯を取り除きます。
初めの頃のシールドトンネルは、シールドマシンの中に人が入って、人力で掘っていました。その後、機械で掘る方法が発達して、作業も今までより早く安全になりました。機械で掘る方法は、特に水を含んだやわらかい地質を掘る時に威力を発揮し、どろ水を循環させながら掘る泥水(でいすい)シールド工法などが工夫されています。
シールドマシンが土を掘る部分を面板(カッタ)と呼んでおり、土の固さや堀り方などによっていろいろな形のものが工夫されています。
面板の種類 写真提供:日立造船株式会社