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田中賞 作品部門
Outstanding Civil Engineering Achievement Award
2006年（平成17年度）
紀勢宮川橋
Kisei-Miyagawa Bridge
- 中日本高速道路（株）
- Central Nippon Expressway Co., Ltd.
| 概要 | |
|---|---|
| 紀勢自動車道の紀勢宮川橋は、橋長537m、最大支間長90mを有する国内初の鋼・コンクリート複合7径間連続ラチストラス橋である。従来のトラス構造に対して格間長の短いラチストラス形式とすることで、橋軸方向の床版支間が短くなり、PC床版の採用により床組構造を省略し、上弦材にて直接床版を支持するとともに、頭付きスタッドにてPC床版と合成する構造としている。主要部材には部材数の96％でH形鋼およびCT形鋼を使用することにより、製作工数の削減による経済性の向上と施工性の向上を図っている。耐震性向上のため、6つの中間支点のうち中央の4支点を、上部構造トラスとRC橋脚との剛結構造とした。剛結方法は、コンクリート橋脚内にトラス構造を貫通させ、鋼トラス弦材のスタッドジベルにて断面力を伝達している。これらの合理化により支間長90mクラスに適用される従来の上部構造形式に比べて5〜20％のコストダウンを実現した。また、ラチストラス構造は主構の剛性が高いため、高橋脚や山間部などにおいてもトラベラークレーンによる張出し架設により容易に施工可能となることが示された。以上より、このH形鋼を多用した国内初の合成ラチストラス橋は、山間部などの長支間橋梁における経済性および施工性の向上に大きく寄与することから、土木学会田中賞に値するものと認認められた。 | |