土木学会 平成28年度 全国大会情報
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土木学会平成28年度全国大会を迎えて


「復興、そして創生へ 〜土木の力で地域を元気に〜」


川瀧 弘之
KAWATAKI Hiroyuki

正会員
平成28年度土木学会全国大会実行委員長
国土交通省東北地方整備局長

平成28年度土木学会全国大会を、9月7日(水)から9日(金)までの3日間、杜の都・仙台の東北大学川内北キャンパスを主会場として開催いたします。

東北での開催は平成20年に開催して以来8年ぶりとなりますが、先の東日本大震災から5年半の節目に、被災地でもある仙台で開催される大会になります。

今回の大会テーマは、「復興、そして創生へ〜土木の力で地域を元気に〜」です。

皆様のご支援、ご指導もあり、インフラの復旧、復興は順調に進捗してきています。一方、震災直後からこれまでの間、様々な課題、教訓もあきらかになってきており、大会では、被災地域の「今」と「これから」について、各方面から発表が予定されています。

大会1年前の昨年9月には関東・東北豪雨もありました。また、この4月には熊本地震が発生し、ともに、前例のない大きな災害が発生、両災害についても各種発表が予定されています。

一方で、東北は人口減少や高齢化が、大震災の影響もあり、全国で最も進んでいる地域でもあります。被災地においては、新しいまちづくり等「新しい東北を創る」先進的な取り組みが進められており、被災地以外の東北各地域においても土木・インフラを活用した地方創生のチャレンジが見られますが、土木の力で地域が元気になるヒントが東北の地から発信できればと期待しています。

今大会のメイン会場となります東北大学も、東日本大震災では大きな被害を受けました。その後、被害を受けた施設の復旧が行われると共に,多くの施設のリニューアルも進められました。研究の面においては、震災の被災地域の中心にある総合大学として、土木工学のみならず他の工学分野,さらには医学・農学など幅広い分野において、被災地域の復興・創生に向けた多くの研究を活発に展開しています。また,昨年12月には,大学キャンパスを貫くようにして仙台市営地下鉄東西線が開通し、キャンパスは大変活気づいております。

メイン会場である「仙台国際センター」は、広瀬川と青葉山が俯瞰でき、5月に開催されたG7財務大臣会合の会場の一つにもなったコンベンションセンターです。近くには、仙台藩初代藩主伊達政宗が築造した仙台城跡やその霊屋瑞鳳殿などの貴重な史跡にも囲まれています。

全国大会では様々な行事を予定していますが、二日目、会長講演の後の特別講演会では、豊富な経験と知識を有するお二人の先生から土木に対する期待や使命についてお話しいただく予定です。全体討論会では、大会テーマを標榜し、前例のない社会環境・自然環境の変化や、近年めざましい進展を見せている新しい技術と土木との関わり方も含めて討論いただき、フレッシュな感覚で、全国各ブロックから参加いただく先生方に、土木界や学会のあるべき方向性について議論を深めていただきます。

交流会では、宮城県知事や仙台市長にも地元を代表して参加いただく予定で、美味しい地酒と地域のアトラクションでお迎えしたいと思います。

エクスカーションでは、東日本大震災の被災地の復旧・復興の今を視察いただいたり、8年前の宮城・岩手内陸地震の復興後の状況の視察も企画しております。

映画会では、本部映像委員会のプログラムに支部選定の映像を加えて、より多くの市民に来て頂くプログラムを編成することとしております。

今大会の新企画として、一般の皆様も対象に、我が国の土木のビックプロジェクトや旬なテーマについて、わかりやすく、第一人者に報告いただくリレー講演会も実施することとしています。東京外環、JRリニア、ICT、広報戦略など10講座程度を予定しています。

大会成功に向けて現在東北支部では総力をあげて準備中です。ここ仙台の地に多くの会員にご参加いただき、また、一般の市民の皆さんにもご参加いただき、活発な議論・交流が行われ、土木界・土木学会が地域とともに歩み、発展することを祈念いたしまして土木学会全国大会仙台の開催にあたっての挨拶とさせていただきます。


2016年05月25日公開