「第12回大会 土木系学生によるコンクリートカヌー大会」参加チーム募集のページへ
「第12回土木系学生によるコンクリートカヌー大会」開催報告
関東支部では,国土交通省関東地方整備局並びに戸田市の後援をいただき,毎年8月に荒川調整池(彩湖)において土木系学生によるコンクリートカヌー大会を開催しています.今年は12回目の大会を8月26日(土)に開催しました.当日は,朝方降っていた小雨も開会式までには上がり,全28チームの学生が自慢のコンクリートカヌーの出来映えを披露するとともに,熱戦を繰り広げました.
開会式~進水テスト -今日はがんばるぞ!-
朝,大会会場の彩湖に到着すると,学生のみなさんの汗と涙の結晶である色とりどりのコンクリートカヌーが出迎えてくれました.経験や高い技術力によってスマートに仕上げられているもの,またこの夏の製作の苦労が見た目にわかりやすく現れているもの,さらにはちょっと目立ってみようかなという意図を感じるものと色々で,とくにかく個性が出ていました.
レース前に行われた進水テストでは,各チームとも艇のチェックを入念に行っていました.密かに自信を深めたチーム,気合い十分なチーム,ちょっと心配そうな顔をしているチームなど,まさに三者三様といった感じでした.例年このレース開始前の時間帯は,会場が一種独特の緊張した雰囲気に包まれます.
予選レース ―まずは小手調べ?!―
いよいよ予選レースが始まりました.敗者復活戦が用意されているためか,予選は小手調べといった側面があります.ただし,そうは言ってもいざスタートすると,ベストを尽くしたくなるのが自然です.相当余裕のあるチームを除けば,やはり予選から熱い戦いとなりました.
また,予選後の昼休みを利用して,技術賞と特別賞の投票が行われました.技術賞は,会場に展示された各チームのプレゼンテーションパネルと実際のカヌーの出来映えの良さを競うものです.特別賞は,ものづくりの楽しさをキーワードに最もふさわしいチームが選ばれるものです.
敗者復活戦~準決勝レース ―やっぱり勝ちたい!―
お昼を挟んで,予選レースで上位に入れなかったチームによる敗者復活戦が行われました.ここからは上位に食い込めないと最後のレースになるため,本当に全力での戦いとなりました.続く準決勝レースも同様で,各チームの懸命に前に進もうとする姿に心を打たれました.水から上がると精魂尽き果て,しゃがみ込んで動けなくなるチームもありました.
残念ながら敗退したチームも,ゴールした後に“やり遂げた”という達成感を感じている様子でした.カヌーの設計・製作を通じてあれこれと工夫を凝らしたことやあきらめずに試行錯誤を重ねたこと,その結果ゴール後に大きな達成感を味わったことを忘れず,社会へ出て技術者として活躍する上での糧にしていただければと思います.
決勝レース ―No.1を目指して!―
準決勝までの厳しいレースを勝ち上がった6チームによる決勝レースは,予想通り僅差の戦いとなりました.仙台第二工業高校が見事1位に輝きましたが,2位の木更津工業高等専門学校(1~3年生)までの差は僅か2秒,さらに2位から3位の宇都宮大学までの差は1秒という激戦でした.本当に見応えのある決勝でした.
閉会式 ―おつかれさまでした!―
本大会では,レースの結果に加え,事前に提出していただいた資料に対する技術審査の結果を合わせ,総合点で順位を決定します.今回は,レースで1位となった仙台第二工業高校が総合点でも見事1位に輝きました.また高校の部は,大曲工業高校が見事1位に輝きました.
閉会式では,総合点の1位,2位,3位,高校の部優勝,技術賞(大学・高専の部,高校の部),特別賞に輝いたチームに対する表彰が行われました.しかし,入賞しなかったチームにつきましても上位との差は確実に縮まってきていると思います.特に今回の大会では,湖底に沈んだカヌーが1艇もなく,技術力の底上げが進んでいると感じております.
今年出場していただいた学校はもちろんですが,今年出場しなかった学校,また未だ出場したことのない学校の参加をお待ちしております.来年は是非チャレンジしてみてください!