支部長挨拶
令和6年度の土木学会関東支部長を拝命致しました東海大学の杉山です。支部の役員、幹事、委員をはじめとする皆様と共に、関東支部の発展に向けて努力して参ります。
本部である土木学会は、会員総数38,752人(2024年6月)からなる国内でも最大規模の学術研究団体で、北海道から九州まで8つの支部が置かれています。その中で、関東支部は全会員の約半数を占める大きな支部組織で、7つの部会と1つの委員会を中心とした幅広い活動を行っているのに加え、他支部にはない5つの分会(新潟、山梨、群馬、栃木、茨城)が地域と連携し、地域に根差した活動を行っています。
土木学会は今年11月に創立110周年を迎え、支部を交えた様々な記念事業とその準備を進めているところですが、関東支部は昨年60周年を迎え、創立60周年記念誌(2024年8月発行)、記念講演や記念式典などを執り行いました。60周年は人間でいうと還暦、元の暦にもどる年です。これまでの60年で諸先輩方により積み上げられた偉大な足跡を振り返りながらも、次の60年(還暦)に向け、地域社会の発展や市民のより良い生活のために土木技術者や関東支部の果たす役割は何かということを常に意識しながら、活動内容の充実に努めていきたいと思います。
とはいうものの、60年後、世界は、日本は、そして土木を取り巻く環境はどのようになっているのか、なかなか見通せるものではありません。しかし、土木・建設分野の必要性ならびに学会・支部活動の重要性を次世代を担う若い人たちに理解して参加してもらい、これから先、そして60年後、更にその先へと繋いでいく必要があります。ご存じのように、学会・支部活動とその運営は、多くの会員の方々によるボランティアによって成り立っています。その方々の原動力は、この活動を通して得られるお金には代えられない「人と人との繋がり」であると、自身の経験からも強く感じています。また、コロナ禍を経て、新たな働き方やコミュニケーションの方法が生まれましたが、基本はFace to Faceであると信じています。
関東支部は、現状でも数多くの活動を展開していますので新たな取り組みを提案する予定はありませんが、今ある活動に若い人たちを一層巻き込む仕組みを加えることで、次世代の担い手たちとも直接顔を突き合わせ「人と人との繋がり」を感じられる支部を目指したいと思います。任期の2年間、会員皆様のご支援、ご協力を賜りながら、「人と人との繋がり」を意識して取り組んでまいる所存です。どうぞよろしくお願い申し上げます。