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土木学会関東支部では毎年、土木の日(11月18日)記念行事として親子見学会を開催しております。今回は11月14日(土)に開催し、大人12名、子供12名の計24名の方々にお越しいただきました。当日はあいにく曇り時々小雨の天気でしたが、外で見学するときは雨がやむという幸運に恵まれるなか、東大島幹線および南大島幹線、扇橋閘門(こうもん)の2ヶ所を見学しました。

1.東大島幹線および南大島幹線

最初に訪れたのは「東大島幹線および南大島幹線」の現場です。同幹線は大島・小松川各ポンプ所流域の雨水流出量の増大に対応するために整備し、小松川第二ポンプ所へ流入する雨水幹線です。両幹線の整備後は、大島ポンプ所を廃止し、小松川第二ポンプ所から荒川へ雨水を放流する計画となります。

工事は地中を掘削する機械(シールドマシン)を使用して、周囲の土砂の崩壊を防止しながら掘削すると同時に、シールドマシンの後方からコンクリートで製作したセグメントを設置してトンネルを築造していきます。

小松川第二ポンプ所から掘削を開始し、約705mを内径6.0mの親シールドで掘削し、そのあと内径4.5mの子シールドで大島ポンプ所までの約1365mを掘削します。径の異なるトンネルを築造するため、親機に子機を内蔵させたシールドマシンを採用しています。大島幹線(既設)との近接工事や、都営地下鉄の支障物切断・除去および急な曲線への対応など、工事では様々な難題に対して高い技術力が要求されました。

当日は、工事の概要説明をお聞きした後、子供も大人も全員ヘルメットと軍手をお借りして、工事用のエレベーターで坑内へと入り子機を分離した位置までトンネル内を往復しました。

丁寧な説明や現場案内をしていただき、関係者の方には大変お世話になりました。ありがとうございました。

画像:東大島幹線および南大島幹線平面図
画像:概要説明
概要説明
画像:工事用エレベーターで坑内へ
工事用エレベーターで坑内へ
画像:トンネルに入坑して概要説明
トンネルに入坑して概要説明
画像:ヘルメットをつけて出発
ヘルメットをつけて出発
画像:坑内を子機分離地点まで見学
坑内を子機分離地点まで見学
画像:子機分離地点で記念撮影
子機分離地点で記念撮影
画像:トンネル内での集合写真 (A班)
トンネル内での集合写真 (A班)
画像:トンネル内での集合写真 (B班)
(B班)

2.扇橋閘門(こうもん)

次に訪れたのは「扇橋閘門」です。

扇橋閘門は、江東三角地帯を東西に流れる小名木川(おなぎがわ)のほぼ中央に位置しています。

水位が異なる河川を通航可能にした「ミニパナマ運河」と言える施設で、2つの水門(前扉および後扉)に挟まれた閘室(こうしつ)と呼ばれる水路の水位を人工的に変動させることにより、船の通航を可能にする施設です。

隅田川と荒川に挟まれた地域は江東三角地帯と呼ばれ、過去たびたび水害に見舞われてきました。また、明治以降、産業の発展に伴い地下水のくみ上げによる地盤沈下を誘発したため、水害に対してきわめて弱い地域となりました。

このため、東京都および国土交通省が分担して防潮堤、護岸および水門・排水機場を整備しています。扇橋閘門は、江東三角地帯の東側の低水位河川と比較的地盤が高い西側感潮河川との通航のために建設されました。

当見学会では、閘門の役割、構造などについての概要説明を伺い、閘門のしくみや必要性について理解を深めました。また、幸運にも実際に船が何度も通航し、扉の操作状況や水位が変動する様子などを見学することができました。

関係者の方にはとても詳しくいろいろな事をお教えいただきありがとうございました。

画像:東京都江東治水事務所 扇橋閘門パンフレット
画像:屋外で施設概要の説明
屋外で施設概要の説明
画像:操作室で概要の説明
操作室で概要の説明
画像:前扉が開く様子
前扉が開く様子
画像:閘室の水位上昇中
閘室の水位上昇中
画像:みんな興味深々で見学していました
みんな興味深々で見学していました
画像:後扉が開いた様子
後扉が開いた様子
画像:やかた船も登場
やかた船も登場
画像:おつかれさまでした
おつかれさまでした

3.おわりに

今回の親子見学会はときおり小雨が降りましたが、関係者の皆様のご協力により、無事開催することができました。ありがとうございました。また、参加された方々からは熱心に説明に聞き入ったり積極的に質問があるなど、見学会を通してより土木に興味を持っていただけたと思います。これからも、土木という仕事に親しみと興味を持っていただけるよう、より楽しめる見学会を企画いたしますので、ぜひご参加いただければと思います。「こんなものが見たい・知りたい」という事がありましたら、土木学会関東支部までご意見をお寄せください。

土木学会関東支部への連絡先:kanto@jsce.or.jp

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