土木学会関東支部では毎年、土木の日(11月18日)記念行事として親子見学会を開催しております。今回は11月24日(土)に開催し、大人19名、子供15名の計34名の方々にお越しいただき、平成28年6月よりダム本体のコンクリート打設に着手し2年半が経過した八ッ場ダムを見学しました。当見学会では、2年前にも八ッ場ダムを見学しており、今年で2回目となります。
■八ッ場ダムの概要(八ッ場ダム工事事務所HP 事業概要パンフレットより)
八ッ場ダムは、堤高116.0m、総貯水容量約1億t、湛水面積約3㎢、の重力式コンクリートダムで、ダムの建設目的は、①洪水調節、②新規都市用水の供給、③流水の正常な機能の維持、④発電の4つです。
ダムの進捗状況は堤高の約9割が完成、家屋の移転、付替鉄道、付替国道、付替県道に至っては進捗率100%となっています。
■見学内容
見学会を開催した時の状況は、堤高の8割から9割が完成ということで、かなり迫力のあるダム本体の姿を見ることができました。
バスにて現地到着後は、長野原・草津・六合ステーションで昼食を食べたのち、バスにて現場に移動し、工事概要をお聞きして、セメントを材料としたダムの模型作りを行いました。シリコン製の型枠の中に水と撹拌したセメントを流し込んで、さながらコンクリート打設といったところです。その後は、ヘルメットをかぶりいよいよダム工事現場へ。現場では、右岸天端、上流締切、ダム下流(減勢工)を見学させて頂き、普段見かける工事現場とは違い、そのスケールの大きさに驚かされました。また、堤体コンクリートのひび割れ防止に対する技術的なお話しや、骨材を運ぶ10kmにもおよぶベルトコンベアに関するお話など、非常に貴重なお話をお聞きすることができました。
関係者の方々の説明は丁寧で、見学者も非常に満足していたのではないかと思います。
池袋東口よりバスに乗車して出発 |
長野原・草津・六合 ステーション到着 |
ダム模型作りの概要説明 |
ダム模型作りセット一式 |
いよいよ型枠にセメントを打設 |
セメント打設完了 |
ダムの概要説明 |
工事内容の概要説明 |
工事現場到着(右岸天端) |
右岸天端での見学の様子 |
右岸天端から見るダム天端の様子 |
仮設構台に並ぶ大型クレーン |
下流側減勢工の様子 |
右岸天端での記念撮影 |
左岸側に見える「やんば見放台」(展望台) |
右岸から見る現在のダム堤体の様子 |
場内を走る40tダンプ(タイヤの直径2m) |
18t吊りケーブルクレーンで重機を運搬する様子 |
下流側から見るダム堤体の様子 |
施工中の非常用洪水吐設備 |
ダム下流側での記念撮影 |
見学終了後にダム模型の型枠脱型 |
型枠を脱型してダム模型完成 |
最後にお世話になった関係者の方にお礼のご挨拶 |
帰路の八ッ場大橋から見るダム堤体とやんば見放台 |
道の駅「八ッ場ふるさと館」に立ち寄り帰路へ |
■おわりに
今回の親子見学会も関係者の皆様のご協力により、無事開催することができました。この場を借りて御礼申し上げます。現場の方の丁寧な説明や案内により、参加された方々には満足して頂けたのではないかと思います。
この親子見学会は、日常ではなかなか体験できない、スケールの大きな工事現場を見ることができる見学会を心がけています。特に今回の八ッ場ダム見学は、現在首都圏で唯一の大規模ダムの建設現場であり、建設後は見ることのでない堤体の一部や、ダムの底に沈んでしまう景色を見ることができた貴重な機会であったと思います。
土木学会関東支部広報部会では、今後も一般の方に土木という仕事に親しみと興味を持っていただけるよう、より楽しめる見学会を企画していまきすので、ご興味のある方はぜひご参加ください。また、「こんなものが見たい、知りたい」という意見などありましたら、下記連絡先までお寄せください。
土木学会関東支部への連絡先:kanto@jsce.or.jp