関東の土木遺産 関東の土木遺産
土木遺産の概要 施設位置図 施設一覧
   
群馬県吾妻郡六合村
あづまばし
吾嬬橋
平成18年度認定(2006年)
■吾嬬橋全景  吾嬬橋全景
■高野長英が隠れ住んだ湯本家  高野長英が隠れ住んだ湯本家
 吾嬬橋は、草津温泉・花敷温泉・沢渡温泉等の西吾妻の温泉群を結び、昔から多くの湯治客等に利用されていた、県道中之条草津線(吾妻郡六合村小雨)の白砂川に架橋された橋である。明治34年(1901)に熊谷と長岡を結ぶ国道(現国道17号)の利根川に架橋された鉄道併用橋の坂東橋(3連ピン結合鋼トラス橋)が、昭和34年(1959)に架け替えられ、解体・修理され、その内の1連が、吾嬬橋に移設された。
 吾嬬橋は、わが国唯一のピン結合タイプのペンシルバニア形鋼トラス橋で、橋長は69.1m、 幅員(現在)は3・0mの橋である。
 100m程上流に新橋が架けられたために、村道橋に移管され、国道橋・県道橋・村道橋として、一世紀にわたる現役橋であり、村人や牧水コースをたどる多くのハイカーに親しまれ、利用されている。
 この県道は、旅の歌人若山牧水が、大正11年の秋に草津温泉から花敷温泉に遊び、小雨でこの橋(2代前の木桁橋)を渡って、暮坂峠を越えて沢渡温泉に抜けた道路であり、この道の印象を牧水の代表作と云われている「枯野の旅」という長詩に残している。牧水コースとして多くのハイカーに親しまれている。
 直ぐ下流にある赤岩集落は、山村における養蚕農家の集落で、今なおその風景を醸し出しており、幕末の蘭学者高野長英が隠れ住んだ湯本家を中心に「重要伝統的建造物群保存地区」に、認定された。
所在地: 群馬県吾妻郡六合村
竣工年: 明治34年国道橋として架橋し、昭和36年に現在地に移設。
構造形式等: ペンシルバニア形鋼トラス橋
授賞理由: わが国唯一のピン結合タイプのペンシルバニア型鋼トラス。明治34年、鉄道併設道路橋として利根川に架橋された坂東橋の一連が、昭和36年、現位置に移設され、国道橋・県道橋・村道橋として、一世紀にわたり現役で利用されている。
管理者: 六合村
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