■利根運河
|
■運河水辺公園にあるムルデルの碑
|
■イギリス積み工法による煉瓦造りの樋門
|
|
日本国内で有数な明治期の土木遺産である利根運河は、オランダ人技師ムルデルにより計画され、民間会社により建設されました。この運河は臨海部ではなく内陸部に設けられた運河という特色がみられます。明治23年に完成した利根運河は、全長8.5kmの流路延長を持ち、昭和初期まで利根川と江戸川を結ぶ舟運路として栄えていました。その後、鉄道や自動車の発達でその役割を終え、平成12年までは東京都の暫定導水路としての役割を担い現在はその役割も終えました。
本来の自然の谷津や沼の地形を最大限に活用して開削され、今もなお、建設当初の運河の形態、特に平面の線形はよく残っており、自然と共生する美しさを創出し、そのゆったりとした広がりは人々に癒しの効果を与えています。この地域に生息、生育する動植物の層の厚さ、健全な多様性の規模の大きさは、関東平野有数であり、ここで確認されたおおたかをはじめとする猛禽類の種の多様さは、生物国家戦略(環境省)に位置づけされる里地・里山の重点拠点として注目されています。 |
|
所在地: |
千葉県柏市、野田市、流山市 |
竣工年: |
明治23年(1890年) |
構造形式等: |
延長約8km、川幅約18m、水深1.6m(建設当時) |
授賞理由: |
オランダ人技師ムルデルの計画により、民間会社により建設され、地形に沿って建設された当初の形態、線形が残っている歴史的に貴重な運河。 |
管理者: |
国土交通省 |
|
|