関東の土木遺産 関東の土木遺産
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栃木県/真岡市、益子町
もおかてつどうごんぎょうがわきょうりゅう・こかいがわきょうりゅう
真岡鐵道五行川橋梁・小貝川橋梁
平成23年度認定(2011年)
■五行川橋梁
五行川橋梁 1.施設の概要
 真岡鐵道は、1910(明治43)年に公布された「軽便鉄道法」により、1912(明治45)年4月1日に真舘線として下館〜真岡間が開業し、2012(平成24)年は開業100周年を迎える。この間、栃木県東南部および茨城県西部地域の産業の興隆と地域の連結強化に大きな役割を果たしてきた。総延長41.9qに46橋梁が架設されており、五行川橋梁と小貝川橋梁はこの真岡鐵道に架かる橋梁の代名詞ともいえる橋梁である。
 さて、わが国の鉄道草創期に橋梁の設計を担ったのはイギリス人技師であり、幹線鉄道の骨格が形成された明治10〜20年代にかけて、特に本州ではイギリス系トラス橋で占められた。イギリス人技師のうち、明治15年から明治29年までの14年間にわたり技師長(当時の名称は建築師長)を勤めたのがC.A.W.ポーナルで、支間長の標準化などわが国のその後の橋梁設計に大きな影響を与えた。明治29年のポーナル帰国後は、アメリカ人技師クーパーおよびシュナイダーが後任となり、それに伴い鉄道橋梁もイギリス系からアメリカ系の橋梁へと移行していくことになる。真岡鐵道に架かる五行川橋梁および小貝川橋梁は、このイギリス系のポーナル型ピントラス(99ft、ポニー)であり、鉄道草創期の鉄道橋梁として貴重な橋梁である。
 また、鋼材が貴重だった当時におけるこれらの橋梁は、機関車の大型化に伴い幹線鉄道から地方の線区に転用されたものが多く、この2つの橋梁も幹線から転用移設されたものである。小貝川橋梁の銘板から、明治27年Patent Shaft & Axletree社製であることが確認されている。五行川橋梁には銘板はないが、小貝川橋梁と同時に製作されたものであるといわれている。
 この2つの橋梁は、現役最古のポニーワーレントラスであり、また、イギリス積みで組成された煉瓦橋脚とともに、わが国の鉄道草創期における往時の風情を今に伝える貴重な地域の歴史遺産である。
■小貝川橋梁
小貝川橋梁
2.施設の諸元
所在地: @五行川橋梁:栃木県真岡市
A小貝川橋梁:栃木県益子町
完成年: @1894(明治27)年[推定]、1913(大正2)年転用
A1894(明治27)年、1913(大正2)年転用
構造形式等: @鋼ワーレントラス
(英国製、ポニー平行弦、ピン結合、下路、煉瓦橋脚)、橋長42.71m
A鋼ワーレントラス
(英国製、ポニー平行弦、ピン結合、下路、煉瓦橋脚)、橋長42.90m
受賞理由: 現役最古のポニーワーレントラスであり、イギリス積みで組成された煉瓦橋脚とともに、わが国の鉄道草創期の息吹を今に伝える貴重な歴史遺産。
管理者: 真岡鐵道株式会社
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