羽村取水堰は、江戸の急激な人口増加に伴い、市中へ水を供給するために開削された玉川上水の取水口として、約350年前に設置され、せき止められた多摩川の水を左岸側の第1水門へ導く現在の投渡堰は、明治42年に完成した。投渡堰は長さが約40mあり、上部は鋼製の作業橋になっている。コンクリート造の4本の橋脚は表面が角石張りで、間に3門の堰がある。川の流れと直角方向に鉄の桁を渡し、これに丸太杭を立てかけ、筵・粗朶・砂利等を順に重ねて堰を構成している。多摩川が増水し、堰を払う時は、桁をつり上げて杭を外すと、筵・粗朶・砂利等が一緒に流されて堰が無くなる仕掛けになっている。この堰の仕掛けは江戸時代から基本的に変わっていない。