関東の土木遺産 関東の土木遺産
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神奈川県県/藤沢市〜鎌倉市
えのしまでんてつ
江ノ島電鉄
H26年度認定(2014)
1.名 称:
えのしまでんてつ
江ノ島電鉄
2.完成年:
1902(明治35)年
3.形式:
  • 営業延長約10kmの地方鉄道法(現鉄道事業法)による普通鉄道。
  • 極楽洞(千歳開道):1907年完成。煉瓦造、延長209m、内空高5.285m、幅3.940m
  • 龍口前交差点:併用軌道区間に普通鉄道としては最小のR=28mのSカーブが入る。
  • 極楽寺駅:1904年開業。関東の駅100選。
  • 鎌倉高校前駅:1903年開業。関東の駅100選。
4.設計者・施工者:
不明

当初レールはアメリカのバファローワッカナ製鋼社、発電施設にはドイツシーメンス&ハルスケ社、車両は国内の天野工場(現日本車両)で製造。
極楽洞の設計者は大井治男(主任技師)。

5.推薦理由:

古くから湘南地域の観光地である「江ノ島」「鎌倉」に至る江ノ島電鉄は1902(明治35年)藤沢〜江ノ島間が開通し、1910(明治43年)に終点小町まで全線が開通。

「極楽洞」は極楽寺駅〜長谷駅間にある江ノ島電鉄唯一のトンネルで、1907年の完成、開通以来大きな改造はなく、電気鉄道のトンネルとして当時の煉瓦造りが残されているのは全国的に稀である。

「龍口寺前交差点」は第一期開通区間の藤沢〜江ノ島駅から鎌倉に向かう際、併用軌道区間として国道134号(旧道)の線形に合わせたため、日本の普通鉄道としては最小であるR=28mのSカーブで敷設された。このため、江ノ島電鉄の車両は長さ12.5m、連接車構造などオリジナルな構造とならざるを得ず、昔のどこか懐かし電車の風景が今も残る要因となっている。

その他にも、関東の駅100選にも選ばれている「極楽寺駅」「鎌倉高校前駅」などユニークな駅があり、開通以来の鉄道線形もほぼそのままで残り(現在、ほぼ当時のままの路線で営業しているものとしては日本で最古)、変化の激しい首都圏の都市において、明治期の日本における鉄道の黎明期の雰囲気を今に伝え、見事に人と車と鉄道が共存する都市型軌道システムを構築する鉄道施設と言える。

6.所在地:
神奈川県藤沢市、鎌倉市
7.管理者:
江ノ島電鉄株式会社
8.特記事項:
  • 極楽洞は平成22年鎌倉市景観重要建築物等に指定する際、調査報告書がまとまっており、沿革、図面類、設計者等が整理されている。
9.連絡先:
  • 新江ノ島電鉄 鉄道部 施設課
  • 〒251-0035 藤沢市片瀬海岸1-8-16 tel.0466-24-2713
画像:湘南の風景
■湘南の風景
画像:極楽洞1
画像:極楽洞2
■極楽洞
龍口寺前交差点2
■龍口寺前交差点
画像:極楽寺駅
■極楽寺駅
画像:鎌倉高校前駅
鎌倉高校前駅
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