東秋留橋は、一般都道檜原あきる野線(第176号)が、秋川を渡河する箇所に位置する橋長149.7m 支間長は25.0mの6径間鉄筋コンクリートアーチ橋で、昭和14年8月に架設された。本橋の構造形式である多径間の連続鉄筋コンクリートアーチ橋は、河川に対する阻害率が大きいため、戦後の施工例は全国的に殆ど無い。また、本橋の径間数である6径間は、開腹構造としては福島市にある信夫橋の7径間に次いで、国内で2番目に多い径間数であり、戦前を代表する橋梁構造と言える。しかも、昭和14年以来現在まで、アーチリング・橋台・橋脚の主構造だけでなく、高欄・親柱についても改変されておらず、架橋当時の姿を今に伝える貴重な橋梁である。
本橋梁については、幅員が狭く交通上のボトルネックとなっていたが、東京都は、前後の道路線形を見直し下流側へ新設橋を架設することで、架け替えることなく保存することとし、現在、歩行者専用橋として供用されている。
以上のように、構造的に貴重な本橋について、次世代に継承する貴重な土木遺産として評価し社会へアピールしていくため、選奨土木遺産に推薦するものである。