関東の土木遺産 関東の土木遺産
土木遺産の概要 施設位置図 施設一覧
   
新潟県/佐渡市
おおまこう
大間港
H27年度認定(2015)
1.名 称:
おおまこう
大間港
2.完成年:
1892(明治25)年
3.形式:
人造石(たたき)護岸、台座、RC橋脚、鋼トラス
東西約115m・南北約250mの半円形状。南西部に船渠を設ける。
4.設計者・施工者:
服部長七(1840〜1919年)が指導。
  • 小規模邸宅工事を通じてたたきの水硬性や強度を高め、1876(明治9)年、後に「人造石」と呼ばれた「長七たたき」を考案。
  • 技術は次第に認められ、宮内省御用を契機として大久保利通ら政府高官の私邸工事に出入りし、その後、人造石工事を専門とする請負組織「服部組」を率い、港湾・干拓・護岸・堰堤・樋門・鉄道等、様々な土木構造物を完成させた。
5.推薦理由:

佐渡鉱山は、江戸時代に幕府直轄領となってから本格的な鉱山として開発がすすめられ、明治から大正、昭和初期にかけて機械化・近代化を推し進め、その隆盛を極めた。明治中期、鉱山の近代化を推し進めるため、生産品の搬出だけでなく、生産に必要な物資、溶鉱炉や発電所等の燃料に用いる石炭の搬入用として大間港が築港された。

大間港は、服部長七による人造石(たたき)工法が採用されている。この人造石工法はその後明治30年代に全国的に使用され、コンクリート工法が普及・定着するまでの工法として、護岸はじめ水路・堰堤・水門等の大規模土木構造物に広く応用された。

今回、選奨土木遺産に推薦する施設は、人造石護岸、台座、RC橋脚、鋼トラスの土木構造物であり、これらは土木学会がまとめた“現存する重要な土木構造物2800選”のAランクである。これらの施設・構造物は、佐渡鉱山の役割と機能を下支えしたものであり、当時の土木技術を広く社会に伝える貴重な土木遺産である。

さらに、現在、佐渡鉱山は世界遺産登録を進めており、今回の選奨土木遺産の認定によりその後押しをすることができるとともに、また、世界遺産登録後は、わが国の当時の土木技術を世界的にアピールできる場ともなる。

6.所在地:
新潟県佐渡市
7.管理者:
株式会社ゴールデン佐渡
8.特記事項:
  1. ①大間港(相川港船溜):2800選Aランク
  2. ②管理者および関係官庁等と調整済み
  3. ③土木学会デザイン賞2013の受賞
  4. ④史跡『佐渡金銀山遺跡』に『大間港』を追加指定(2015.6.19答申)
9.PR方法:
  1. ①表彰式を関東支部新潟会主催の「土木の日講演会」で実施
  2. ②新聞各社などマスコミへの周知
  3. ③佐渡鉱山の世界遺産登録と併せ、土木遺産としてのPRの実施。
10.連絡先:
  • 〒950-8570 新潟県中央区新光町4-1
  • 新潟県土木部監理課 企画調整室長 東海林 晃 氏
  • tel.025-280-5838 fax.025-285-3572
  • Eメール:shoji.akira@pref.niigata.lg.jp
「大間港位置図」
「佐渡国相川大字大間町御料地(大間港)」図面
画像:「佐渡国相川大字大間町御料地(大間港)」図面
「大間港全景」[明治時代末期]
画像:「大間港全景」[明治時代末期]
「大間港遠景」[昭和13頃]
画像:「大間港遠景」[昭和13頃]
「大間港船渠」[大正3〜昭和13]
画像:「大間港船渠」[大正3〜昭和13]
「大間港(精鉱積み込み作業)」
画像:「大間港(精鉱積み込み作業)」
「大間港(火力発電所用ベルトコンベアーヤード)」
画像:「大間港(火力発電所用ベルトコンベアーヤード)」
「大間港」[昭和20年代]
画像:「大間港」[昭和20年代]
「大間港」
「大間港」
画像:「大間港」
大間地区遠景(南西から)
画像:大間地区遠景(南西から)
大間港船渠
画像:大間港船渠
大間港施設群
画像:大間港施設群
大間港人造石(たたき)工法の防波堤
画像:大間港人造石(たたき)工法の防波堤
大間港人造石(たたき)工法の護岸・副堤
画像:大間港人造石(たたき)工法の護岸・副堤
大間港トラス橋外観
画像:大間港トラス橋外観
大間港クレーン台座外観
画像:大間港クレーン台座外観
人造石(たたき)工法による石積みアーチ橋
画像:人造石(たたき)工法による石積みアーチ橋01画像:人造石(たたき)工法による石積みアーチ橋02
前を見る 前を見る 次を見る 次を見る
Copyright (c)2004 jsce-kanto All Rights Reserved.