関東の土木遺産 関東の土木遺産
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神奈川県/横浜市
けいひんこうドック
京浜港ドック
H29年度認定(2017)
1.名 称:
けいひんこうドック
京浜港ドック
2.完成年次:
1926(大正15年)
3.形式等:
規模:長さ109m、下幅15m、上幅35m、底板高さ -8.5m
製作ヤード面積:約24,000㎡
ドック内水量:約26,000㎥
製作可能ケーソン:L15m×B22m×H17m、喫水8m
4.設計者等:
設計者:内務省
図面:当初平面図の写しは保存されている。
5.推薦理由:

「京浜港ドック」は1926年(大正15年4月)に完成した港湾整備に必要な造函乾船渠(鉄筋コンクリート構造物専用ドック)である。

大正11年から整備が開始された横浜港第3期拡張工事(山内埠頭、高島埠頭、横浜港外側防波堤、瑞穂埠頭)を実施する上で必要不可欠な施設であった。この施設により近代横浜港としての整備が促進され、外国との貿易に大きな役割を果たした。当時の外貿大型船は、-10mの大水深岸壁を必要としたが、大型で大量に建設することが可能なケーソン工法が成立したことにより、現在の大量急速による港湾建設技術が確立した。そのケーソンを築造したのが京浜港ドックである。また、鉄筋コンクリート円環構造物やL型ブロックも多く建設され横浜港・川崎港・横須賀港の整備に使用されている。

ドライドック方式は、大水深であり厳しい波高条件にも耐えうる大型ケーソンを必要とした北海道から東北地方太平洋沿岸における港湾建設に必要とされ、網走港(大正12年)、むつ小川原港(昭和58年)、鹿島港(昭和41年)と京浜港ドックの4施設しか国内で建設されていない希少性の高い構造物である。京浜港ドックで製作したケーソン函数はドライドック方式で国内最大であり、90年を経過してもなお、研究施設として活躍している稼働遺産である。

近代横浜港の整備に大きく貢献した産業遺産であり、横浜駅にほど近く現在でも研究施設として稼働している京浜港ドックを近代土木遺産として認定し、後世までその功績を伝えたい。

6.所在地:
神奈川県横浜市神奈川区山内町
7.管理者:
国土交通省関東地方整備局京浜港湾事務所
8.特記事項:
実物大実証実験が可能な研究施設として活用を継続中。
通常は立入り禁止となっているが、公開可能な試験は研究機関や報道関係に公表する。
土木の日等での一般公開や中が眺められる近隣歩行者導線に案内板を設置予定。
9.PR方法:
記者発表、HPでの紹介の他、横浜市等の各イベントで講演やパネル展示を実施。
10.連絡先:
横浜市中区北仲通 国土交通省関東地方整備局港湾航空部
海洋環境・技術課 野口 孝俊 氏
〒231-8436 ℡ 045−211-7420
京浜港ドック位置図及び写真
 位置図

写真
京浜港ドックのゲート部の写真
ゲート部
京浜港ドックのゲート部の本体部の写真
本体部
京浜港ドック全景(ドローン空中写真測量)の写真
京浜港ドック全景(ドローン空中写真測量)
わが国の近代化に果たした役割の整理(製造実績の表)
参考資料1
昭和2年頃に製造した施設について
参考資料2
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