|
|
|
(1)万内川一号堰堤 建設時期:大正10年頃 改造時期:昭和8年頃 下流法勾配3分とし、同時期に建設された万内川他砂防施設と比べ緩勾配かつ厚めの天端幅をとり、全体として堅固な造りとする。副堰堤、護岸が良好に残存。粗石コンクリート造の堰堤として我が国初期の事例。
|
(2)万内川三号堰堤 建設時期:大正11年頃 当初空積みの堰体を昭和初期に練積みで補強しており、右岸側堤長を長くとるのが特徴。
|
|
|
(3)万内川四号堰堤 建設時期:大正11年頃 上流側法勾配1分、下流側法勾配2分とした小勾配の重力式堰堤で、前面に副堰堤を設け、その間を石張水叩きと右岸側を曲線状とする石積護岸でつなげる。
|
(4)万内川六号堰堤 建設時期:大正12年頃 改造時期:昭和9年頃 堤高と同じ高さだけ水通し部を切り込んだ低い造り、両肩を法1割、長さ15mとした水通し形状によって上流側への見通しが確保され、地形に収まる石積の低堰堤が山並みを背景に連続する景観が展開する。
|
|
|
(5)万内川七号堰堤及び(6)八号堰堤 建設時期:大正15年頃 改造時期:(6)昭和8年頃 2基の堰堤を隣接させ同時期に建設した。8号堰堤下流側に水叩きと石積護岸を連続させ、7号堰堤下流側には副堰堤を配する。7号堰堤上流右岸側から灌漑用水を取り込み、取水堰堤としての機能を有する。
|
(7)万内川十号堰堤 建設時期:大正15年頃 改造時期:昭和8年頃 堤高3.5mの低堰堤。地すべり区間内で低堰堤を連続して設けるという模範的計画を端的に示し、建設以前頻発していた山の崩壊や土砂の流下を絶つ。
|
|
|
(8)万内川十一号堰堤 建設時期:大正15年頃 改造時期:昭和8年頃 下流側法勾配2分、上流側法勾配5厘で、水叩き部を石張で強固に築き、水通し幅を広くとるなど、洗掘防止の工夫が見られる。
|
(9)万内川十二号堰堤 建設時期:大正14年頃 改造時期:昭和8年頃 下流側法勾配2分で、水通し外側の堤頂高を、堤体中央に向けて4%程度傾斜させる。堤体全体を精緻な谷積で築き、堤体右岸側に石造銘板を付ける。
|
|
|
(10)万内川十三号堰堤 建設時期:昭和9年頃 下流側法勾配2分、上流側法勾配3分の重力式練積堰堤。堤体下流側の両岸に谷積の護岸を良好な状態で残す。
|
(11)万内川十四号堰堤 建設時期:昭和9年頃 堤体裏表の法勾配をともに2分とする台形断面及び、ほぼ左右対称の立面形状をとる。堤体前面には欠円アーチ型の水抜きを計4箇所設ける。
|
|
|
(12)日影沢一号床固工 建設時期:大正後期 日影沢が一級河川関川水系万内川に合流する地点に築かれた砂防設備。両側法勾配3分、水通し幅3.4mで、地形に合わせて左岸側の袖を長くとるのが特徴的。日影沢床固工群の中で、最下流に位置する最大規模の構造物で、基幹的役割を果たしている。
|
(14)日影沢上流域床固工 建設時期:大正後期/昭和12年頃増築 万内川右支川日影沢の上流域に位置する砂防設備。堤長6mから21m、堤高1.5から3mの石造谷積の構造物を、約40%勾配の斜面に5基配し、支川が右岸側から合流する。切石により精緻に築かれた構造物で、急勾配斜面の地盤安定に効果を発揮している。
|
|
|
(13)日影沢中流域床固工 建設:大正後期/昭和12年頃増築 日影沢中流域に位置する砂防設備。堤長7mから24m、堤高1.5mから4.5mの小規模構造物を、約30%勾配の急斜面に32基配置する。石造構造物が、地形におさまりつつ、湾曲しながら連続し、自然と一体化した景観を創り出している。
|
(15)クズレ沢斜路工 建設:大正後期 日影沢の中流域に右岸側から合流する砂防設備。山の斜面を石張した勾配25%、側面1割法とした直線状水路と、両側法勾配3分の床固工を一体的に築き、川道安定を図る。周囲の回復された緑と一体となり、渓谷の自然環境と良く馴染んでいる。
|