関東の土木遺産 関東の土木遺産
土木遺産の概要 施設位置図 施設一覧
   
東京都
とよみばし
豊海橋
R4年度認定(2022)
1.名称:
とよみばし
豊海橋
2.所在地:
東京都中央区日本橋箱崎町〜新川一丁目
3.管理者:
東京都中央区
4.設計者:
内務省復興局土木部(構造選定)
内務省復興局土木部橋梁課嘱託 福田武雄(実施設計)
5.施工者:
復興局(下部工)、横河橋梁製作所(上部工)
6.完成年:
1927(昭和2)年9月
7.形式:
鋼フィーレンデール橋 橋長46.3m 幅員8m
8.推薦理由:
 豊海橋は、日本橋川の河口に架かる橋で、1698年(元禄11年)に初めて架橋され、現橋は関東大震災の復興事業で1927年(昭和2年)に架橋された。
 橋梁形式の選定は内務省復興局で行われ、実施設計は復興局嘱託)の福田武雄(後に東京大学教授、土木学会会長)が担当した。梯子を横倒にしたような外観の鋼フィーレンデール橋という橋梁形式である。架橋当時、橋の先進国だった米国や英国でも施工例がない先進的構造で、日本でも初めての施工例であった。さらに、戦前を通しても、国内にわずか4橋しか架橋されなかったという希少な構造の橋梁である。このように施工事例が少なかったのは、不静定次数が高く構造設計が複雑だったからで、本橋の施工は、震災復興事業を通して到達した、我が国の橋梁技術力の高さを如実に物語っている。戦前に建設された我が国の橋梁を代表する一橋といえる。
 フィーレンデール橋が選定された理由は、隣接する重厚な外観の永代橋(隅田川、ソリッドリブタイドアーチ橋)に対し、景観的に見劣りすることなく調和するようとの配慮からであった。
 2019年には、耐震補強工事と治水や船舶航行を改善するための橋台の嵩上げ工事に合わせ、 1984年に施工され建設時の外観を損なっていたライトアップ用のブラケットの撤去が行われた。これにより、フィーレンデール橋の特徴である側面の直線的シルエットが蘇った。最新の構造基準や安全基準を満足した上で建設時の外観を復元。土木遺産を次世代に継承する点からも、たいへん優れた事例といえる。
 以上のように、構造的に貴重な本橋について、次世代に継承する貴重な土木遺産として評価し、社会へアピールしていくため、選奨土木遺産に推薦するものである。
9.特記事項:
日本の近代土木遺産 Aランク(土木学会)
10.連絡先:
中央区 環境土木部 道路課 橋りょう施設係
電話:03-3531-1155
 11.位 置 図
 12.写真

 〇現在の写真


全 景

側 面(下流側から)

正 面(左岸側から)

豊海橋から見た永代橋

 〇2019年改良工事前の豊海橋


1991年のライトアップ工事に伴い設置されたブラケットが、すっきりした横景を妨げている

 〇1930年に撮影された豊海橋

 13.図 面
前を見る 前を見る 次を見る 次を見る
Copyright (c)2004 jsce-kanto All Rights Reserved.