関東の土木遺産 関東の土木遺産
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東京都
くらまえばし
蔵前橋
R5年度認定(2023)
1.名 称:
くらまえばし
蔵前橋
2.完成年:
1927年(昭和2年)
3.形式:
上路式鋼2ヒンジアーチ橋(支間長51.8m+54.6m+51.8m)
上路式鉄筋コンクリート2ヒンジアーチ橋(支間長12.2m)
橋長 172.7m  有効幅員 22.0m
4.推薦理由:

 蔵前橋は、関東大震災の復興で隅田川本川に架設された9橋のうちの1橋で、復興都市計画に基づき、内務省復興局により昭和2年(1927)年に建設された新設橋である。設計は、土木部橋梁課長田中豊の指導を受けて井浦亥三により行われた。
 橋長172.7m、有効幅員22.0mで、隅田川を渡る3径間の鋼2ヒンジアーチ橋と、墨田区側で区道を跨ぐ上路式鉄筋コンクリート2ヒンジアーチ橋一連からなる。
 震災では、上路式アーチ橋は被害が無かったことで耐震性が高い形式と認識されたこと、橋上に遮蔽物が無く眺望が開けること、市街橋として景観が優れることなどから、震災復興事業では上路式アーチ橋が積極的に採用された。
 本橋の架橋地点の地盤は、隅田川の中では良好であるため、上路式アーチ橋に生じる大きな水平力を支える上で適しており、さらに両岸は官有地だったため盛土が可能で、それを施すことで川面から桁下までのクリアランスが十分確保できることなどから、上路式アーチ橋が採用された。
 また、意匠面では、橋脚の半球状の水切りや矩形のアルコープが特徴となっている。
 蔵前橋は、関東大震災の復興橋梁として歴史的に価値の高い著名橋であり、次世代に継承する貴重な土木遺産として評価し、社会へアピールしていくため、選奨土木遺産に推薦するものである。

5.設計者・施工者:
設計者:内務省復興局土木部橋梁課 井浦亥三(田中豊 指導)
施工者:内務省復興局(下部工、桁架設) 石川島造船所(鋼桁製作)
6.特記事項:
日本の近代土木遺産ランクB(土木学会)
東京都選定歴史的建造物(平成11年度選定)
7.所在地:
台東区蔵前二丁目地内〜墨田区横網二丁目地内
8.管理者:
東京都
9.連絡先:
東京都 建設局 道路管理部 保全課 橋梁保全担当
tel.03-5320-5295

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