これまでに寄せられた主な質問と回答
公益社団法人移行に向けた準備作業の一環として、これまでに本部及び支部に定款及び細則の変更案を供覧して聴取した主な質問とそれに対する回答を記します。
- Q 何故、一般社団法人ではなく公益社団法人に移行するのか。
- A 公益社団法人に移行するには、一般社団法人への移行と異なり、行政庁(土木学会の場合内閣府)に公益認定を受ける必要があるため、公益社団法人は社会的信用が高いと考えられます。
また、一般社団法人ではすべての所得に対し法人税が課されるのに対し、公益社団法人の場合公益目的事業による所得については免税されるのに加え、寄附者が税制優遇を受けられるため寄附をいただきやすくなります。
これらより、学会の活動目的を継続的かつ一層効果的に達成していく上で望ましい形態である公益社団法人に移行することとしました。
- Q 公益社団法人に移行すると、これまでどおりの学会活動ができなくなるのではないか。
- A 公益社団法人に移行しても、基本的にこれまでの活動内容は維持する方針です。新たな公益法人制度では、公益社団法人はその事業の50%以上が公益目的事業でなければなりませんが、従来の事業活動はこの条件を満たしていると考えています。
- Q 公益社団法人に移行すると、本部の活動に制約が生じるのではないか。
- A 公益社団法人に移行することによる主な従来との相違点は、次のとおりです。
・ 総会の決議事項のうち、定款の変更等の重要事項については総正会員の3分の2以上に当たる多数をもって決議(従来は、出席者の過半数をもって議決)
・ 理事会には本人の出席が必要(従来は、書面をもってあらかじめ意志を表示したものを出席者とみなした)
・ 予算及び事業計画については理事会が承認(従来は総会が決議)
これらに対しては、従来の本部の活動を大幅に見直す必要はなく、本部はほぼ従来どおり活動することができます。
- Q 公益社団法人に移行することにより、寄附者が税制優遇を受けられることを活用し、寄附文化を醸成するとのことだが、支部が独自に寄附を募っても良いのか。
- A 地方分権が提唱されている中、地域レベルで見た土木施設のあり方を議論することが求められており、支部の活動をさらに強化することが重要です。
この観点から、支部が活動を支援していただくため独自に寄附を募ることは、長い目で見て学会活動の安定的継続に貢献し、学会が社会にとって重要な役割を果たしていく上で重要だと考えています。
- Q 定款第36条で、事業計画、収支予算等について事業年度の開始日の前日までに理事会の承認を得ることとされている。また、定款第37条では、決算等について上記同様に規定されている。支部の事業計画、収支予算、決算等についても支部毎に理事会の承認を要するのか。或いは、本部で作成する事業計画等に含まれるものとして、支部毎の手続は不要なのか。
- A 公益社団法人に移行後は、事業報告・決算は従来どおり総会が決議しますが、事業計画・予算は理事会が承認することとなります。
支部の予算・決算については、仕組みは従来どおりです。ただし、支部における決定時期をより厳密に運用することが必要となると考えています。このため、今後、事務処理の円滑化に向け、実態を踏まえて調整したいと考えています。
- Q 細則第4条で、支部規程について理事会で承認を得るものとされているが、支部総会が決議するものであり、再度理事会で承認を得る必要があるのか。形式上の承認であれば、従来どおり提出で良いのではないか。
- A 新公益法人制度のポイントの1つである法人のガバナンスの明確化の観点から、支部規程の学会としての認証手続きを明確化することが重要であり、理事会承認が必要と考えています。しかしこの件に関しても、従来どおり定款・細則等に反しない限り、必要に応じて支部代表理事や支部の御意見等もお聞きしながら支部の自主的な判断を尊重してゆく考えです。
- Q 支部の賛助会員が、会員とは別に細則第18条に規定されたが、これまでのように会員同様に支部活動に参加できなくなるのか。
- A これまでと同様に支部活動に参加することができます。細則第18条の規定は、従来、一部の支部規程でしか明記していなかった支部の賛助会員を正式に規定したもので、支部賛助会員の資格や扱いなどはこれまでと変わりません。
- Q 名誉会員やフェロー会員の規定が定款になくなったが、これらは廃止するのか。
- A 名誉会員やフェロー会員は、従来どおり継続します。ただし、今後の会員数や会員の年齢構成などの変化に合わせ、内容の見直しが必要となる可能性があります。
新たな公益法人制度では、定款は正会員の3分の2以上の同意がなければ改定できなくなるため、名誉会員やフェロー会員の規定など、必要に応じ理事会レベルで柔軟に見直す可能性のある規定は定款から細則に移しました。
- Q 支部のガバナンスを明確化したとのことだが、支部の活動などにこれまでにない制約が科せられることになるのか。
- A 支部の活動などについては、従来どおり維持する方針です。ガバナンスの明確化とは、学会として本支部間で本来行うべき運営手続きを体系的に整理し、規定として明文化したもので、従来の支部のあり方や活動に関する手続き等を変える意図ではありません。