2023年7月号 会長就任挨拶


土木の魅力向上と土木技術者のステイタスアップを目指して


1954年生まれ。1979年東京大学工学部土木工学科卒業、同年大成建設(株)入社。橋梁工事の所長、札幌および東京支店の土木部長、九州支店長、社長室長、土木本部長などを歴任。現在、同社代表取締役会長。
田中 茂義 土木学会第111代 会長

土木学会第111代会長に就任した田中です。
土木学会は「JSCE2020」において、安全・安心、国際、コミュニケーション、人材の四つの中期重点目標を策定し、さまざまな施策を展開してきました。
会長特別プロジェクトは、2021年度に「コロナ後の土木?のビッグピクチャー特別委員会」(谷口博昭第109代会長)、2022年度に「土木グローバル化総合委員会」(上田多門第110代会長)を設け、土木の魅力が向上する未来像を描くとともに、わが国の土木技術者が国際的に活躍できるよう取り組んできました。
皆さんも感じておられると思いますが、土木の果たす社会的貢献は非常に大きい一方で、土木技術者に対する世の中の見方や評価は、残念ながらわれわれが期待するものではないのが現状です。さまざまな分野でいきいきと活躍する土木技術者の姿と土木の魅力を、われわれ自身が世の中に正しく発信する必要があります。

写真1 田中会長にとっての土木の魅力
そこで2023年度は、私が委員長として「土木の魅力向上特別委員会」を立ち上げ、インフラ整備や災害対応、カーボンニュートラリティなど幅広い社会的課題に貢献する土木の認知度向上および土木技術者の地位向上に取り組んでいきます。
土木は「文明社会の基礎を築く総合工学」であり、その扱う範囲は工学全般にとどまらず、経済や行政にも及びます。これを担う土木技術者は、古市公威初代会長の就任演説にあるとおり、「将に将たる人」でなければなりません。土木技術者として、創造力と柔軟な発想をもって広く活躍し、社会に大いに貢献できる存在でありたいものです。
会員の皆さまも、ぜひ私と一緒に魅力ある土木の世界を世の中に発信し、土木技術者のステイタスアップを図っていただきたいと思います。皆さま、どうぞよろしくお願い致します。

  会長プロジェクトで動画配信中。会長が土木の魅力を語っています
© Japan Society of Civil Engineers 土木学会誌編集委員会