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技術賞

Outstanding Civil Engineering Achievement Award

2006年(平成17年度) Iグループ

わが国初の全断面TBM による長大斜坑掘削と高張力鋼HT100 を用いた水圧鉄管の施工
−世界最大級の揚水式発電所 東京電力(株)神流川発電所水圧鉄管路工事−

The First Construction of a Long Inclined Penstock Tunnel Using a Full-Face Tunnel Boring Machine (TBM) and High Tensile Strength Steel HT-100 in Japan - The World's Largest Pumped Storage Power Plant, Kannawaga PSPP

わが国初の全断面TBM による長大斜坑掘削と高張力鋼HT100 を用いた水圧鉄管の施工 −世界最大級の揚水式発電所 東京電力(株)神流川発電所水圧鉄管路工事−

  • 東京電力(株),奥村組・フジタ・錢高組共同企業体,三菱重工業・酒井鉄工所共同企業体
  • Tokyo Electric Power Co.; Okumura Corp., Fujita Corp. and the Zenitaka Corp. JV; Mitsubishi Heavy Industries Ltd. and Sakai Iron Works Co., Ltd. JV
概要
神流川発電所建設プロジェクトは、長野県と群馬県にまたがる最大出力282 万kW の揚水式水力発電所を建設するものである。本業績は、プロジェクトの中でも最大の難関であった延長960m、掘削径6.6m、勾配48度の水圧鉄管路工事に3 つの新技術を開発・適用し、約80ヶ月の工期を70ヶ月に短縮するとともに、工事費の約10%となる約12.5億円のコストダウンを達成したものである。
斜坑掘削では、世界で最大規模となる全断面トンネルボーリングマシンを開発・適用した。開発に際しては、リスクマネジメントの手法を活用して、滑落や掘削不能などのリスクを洗い出し、リスク低減・回避のための技術開発を行って実用化に結び付けた。
水圧鉄管については、引張強さ100kgf/mm2級高張力鋼HT100 を国内で初めて採用した。管厚を薄く軽量化し、運搬性能を向上させたことで、トンネル内での溶接作業が減ることによる品質の向上と、工期短縮等によるコスト削減を図った。
また、トンネルと鉄管の間を充填するコンクリートには、国内最大の流下距離約1,000mに対応した高流動コンクリートを開発・適用し、工事費の削減を図った。今回開発・導入した新技術により、安全かつ合理的に工事を完成させた実績は、電源開発工程の短縮、電気料金の低減といった社会要請に応えるとともに、今後の土木技術の発展に大きく貢献しており、技術賞に値するものとして認められた。
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