技術賞
Outstanding Civil Engineering Achievement Award
2006年(平成17年度) Iグループ
世界最長陸上トンネルの施工(東北新幹線 八甲田トンネル)
Construction of the World's Longest Land Tunnel - Tohoku Shinkansen Hakkoda Tunnel
- (独)鉄道建設・運輸施設整備支援機構 鉄道建設本部 東北新幹線建設局 佐藤・三井・地崎・田中共同企業体 清水・フジタ・伊藤・工藤共同企業体 鹿島・戸田・真柄・穂積共同企業体 奥村・青木・森本・寺下共同企業体 飛島・大日本・株木・鹿内共同企業体 前田・竹中・福田共同企業体
- Tohoku Shinkansen Construction Bureau, Japan Railway Construction, Transport and Technology Agency; Sato, Mitsui, Chizaki and Tanaka JV; Shimizu, Fujita, Ito and Kudo JV; Kajima, Toda, Magara and Hozumi JV; Okumura, Aoki, Morimoto and Terashita JV; Tobishima, Dai Nippon, Kabuki and Shikanaigumi JV; Maeda, Takenaka Civil Engineering & Construction and Fukuda JV
概要 | |
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八甲田トンネルは東北新幹線八戸・新青森間における延長26.5km のトンネルで、陸上における複線断面としては世界最長のトンネルである。本トンネルは、地形上の制約から6 工区にせざるを得なく、一工区長が長くなることから、約10 年の工期が想定され、安全施工とともに工期短縮が大きな課題であった。また、トンネル周辺の地質は全域に鉱化作用を受けた岩石である鉱化変質岩が分布しており、その存在を正確に把握する必要があった。このため全線にわたり切羽において先進水平ボーリングを実施し、前方の地質、地下水等を把握、確認することにより、安全性の確保、工期短縮を図ることができた。 通常、掘削と併進する先進水平ボーリングは横坑を設け、そこから長尺ボーリングで掘削作業と並行して行うが、ここでは、掘削を妨げないよう掘削休日の2 日間を作業日に充てるサイクルとし、ボーリングマシンは直接切羽にセットした。削孔は高速掘進可能なパーカッション工法と、コアー採取可能なワイヤーライン工法の併用とし、約100 〜 150m の進行を確保した。本工事は、先進水平ボーリングを積極的に掘削のサイクルに採り入れることで安全かつ安定した進行および強酸性化作用を有する鉱化変質岩の早期判定・分別手法を確立した結果、平均月進100m を実現し、着手から6 年7ヶ月で早期貫通を達成することができた。 以上の成果は、今後の長大トンネル工事に活用されることにより、経済的かつ安全迅速な施工に大いに寄与するものであり、技術賞に値するものとして認められた。 | |