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- 実行委員長挨拶
土木学会平成20年度土木学会全国大会を迎えて
「地域のみらいのための国土形成」
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久保田 勝
KUBOTA Masaru
正会員
全国大会実行委員長
国土交通省東北地方整備局長
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平成20年度の土木学会全国大会を来る9月10日(水)
から12日(金)の3日間、仙台市にある東北大学川内北キ
ャンパスをメイン会場として講演会や交流会の一部行事を
隣接する仙台国際センターで開催することになりました。
東北での大会の開催は、今回と同じ2会場において平成
12年に開催されて以来8年ぶりとなります。前回の大会は、
2000年という記念すべき年にあたり「社会資本と土木技術
に関する2000年仙台宣言」を表明し,また,「講演概要集
のCD−ROM化」や「講演申込みの電子化」など,大会
運営が大きく改革された大会でもありました.
大会のメイン会場である東北大学は,東京大学,京都大
学に次いで日本で3番目の帝国大学として創立され,昨年
2007年で創立100周年を迎えました.建学以来の伝統であ
る「研究第一」と「門戸解放」の理念を掲げ,世界最高水
準の研究・教育を創造することを大学の使命としています.
現在東北大学は,10学部,15大学院研究科,5付置研究所,
3専門職大学院と多くの教育研究施設を擁しており,アジ
ア有数の総合大学へと大きく発展し,国内はいうまでもな
く,世界からも高く評価されています.「川内北キャンパス」
は,仙台市内に5つある東北大学キャンパスの一つで,旧
青葉城内に位置しており,近隣には宮城県美術館,仙台市
博物館,仙台国際センターなどが点在する,仙台随一の文
教地という環境にあります.
今年度の大会のテーマは「地域のみらいのための国土形
成」としました.「本格的な人口減少社会の到来,急速な高
齢化の進行」「グローバル化の進展と東アジアの経済発展」
「情報通信技術の発達」「安全・安心,地球環境,美しさや
文化に対する国民意識の高まり」「ライフスタイルの多様化,
『公』の役割を果たす主体の成長」など,時代の潮流と国
土が抱える新たな課題を背景に,平成17年7月,これまで
の国土総合開発法が,国土形成計画法へと改正され,新し
く国土形成計画を策定することになりました.
この計画では,全国計画と,8つの広域ブロック単位毎
に,国と都道府県などが適切な役割分担の下で協力して地
域の将来像を定める広域地方計画からなる,二層の計画体
系とされています.広域地方計画については,地域の特性
に応じた施策展開を図り,自立的に発展する圏域の形成を
目指すものです.
今回の全体討論会では,広域地方計画の位置づけ,意義,
実現のための問題点等について,見識豊かなパネリストか
ら話題提供をいただき,計画実現に向けての各層の自発的
な運動の必要性などを,コーディネーターを交えてパネル
ディスカッションを行う予定です.
大会行事として,学術講演会,研究討論会,特別講演会,
全体討論会の他に,パネル展示及び国際関連行事が開催さ
れます.JR仙台駅2Fコンコースで開催予定のパネル展
示では,大会テーマを主題に「東北のインフラ整備の今昔」
「引き継ぐべき東北の土木遺産達」「環境問題とその取組
み」「未来のための最新土木技術紹介」の4テーマの展示ブ
ースを設置し,大会に参加される研究者,技術者だけでな
く,一般の市民の方々にも興味を持っていただけるような
内容にしたいと考えております.
土木学会全国大会は,会員の皆さんの重要な発表の場で
あると同時に,土木について日頃あまりなじみのない市民
の皆さんに土木をご理解いただく重要な場でもあります.
東北支部では現在,有意義で実りの多い大会となるよう,
学産官の協力のもと鋭意準備を進めています.全国から多
くの会員にお集まりいただき,学術・技術の研鑽とともに,
交流会等で会員相互の交流や親睦を深めていただくことを
祈念して,挨拶といたします.
2008年06月12日公開
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